腸管出血性大腸菌感染症(O-157等)にご注意ください
例年、腸管出血性大腸菌感染症は、気温の高い初夏から初秋にかけて多く発生しています。
しかし、気温の低い時期でも発生がみられることもありますので、季節を問わず、下記を参考に感染予防に努めましょう。
腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)について
腸管出血性大腸菌O-157は、本来動物の腸管内に住む菌です。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌とも呼ばれています。家畜や感染者の糞便を通じて汚染された食品や水(井戸水など)の摂取によって、人にも感染します。病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。腸管出血性大腸菌は、いくつかに分類されており、代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られています。
O-157は熱に弱く、75度以上で1分間以上加熱すれば死滅しますが、マイナス20度に冷凍しても死滅はしません。
症状
腸管出血性大腸菌の感染では、全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々な菌があります。しかし、多くの場合(感染の機会のあった者の約半数)は、おおよそ3~8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがありますが、これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。これらの症状の有る者の6~7%の人が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5~7日後)に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重症合併症を発症するといわれています。激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。
予防するには
- 石けんで手を洗いましょう。(食材を扱う前後、オムツ交換、トイレ介助時、用便後、ペットや牧場等で動物を触った後)
- 公衆浴場にあっては、浴槽に入る前に、石けんを用いて体を洗うようにしましょう
- 浴槽水・プール水を飲まないように注意しましょう
- 下痢をしている子どもなどは、プールに入らせないようにしましょう。
- 家庭用プールについては、井戸水は避け水道水を利用し、使用のたびに水を交換しましょう。
- 食肉の衛生的取り扱いに注意!特に乳幼児やお年寄りなどの抵抗力の弱い人は、生肉や加熱不十分な食肉は食べないようにしましょう。
- 食品は内部までよく熱して食べましょう。(中心温度が75度、1分以上)
- 焼肉やすき焼き等の時、生肉を触る箸と食事用の箸は別にしましょう。
- まな板・包丁などの調理器具は必ずよく洗い、塩素系消毒剤、沸騰水などで消毒しましょう。
- 井戸水などの生水を飲む場合は、必ず沸騰させてからにしましょう。井戸水を使用する場合は定期的に水質検査を受けましょう。
万一感染した場合には
- トイレやドアノブなど、菌で汚染されやすい場所を塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)や消毒用エタノールなどを使って消毒しましょう。
- 感染者の便で汚れた衣類やおむつ等は、塩素系漂白剤または80度の熱湯に10分間以上つけおきしてから、他のものとは別に洗濯しましょう。
- 感染者は入浴せずにシャワーですませ、他の家族と一緒にはいることは避けましょう。
- タオルの共用はしないようにしましょう。
参考
腸管出血性大腸菌に関するQ&A(厚生労働省)
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