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更新日:2021年12月20日

スタッフコラム【令和3年度第8号】

揺らぐ“多様性と調和”②
~人と違っていてはダメですか?~

                        olympics

 「多様性と調和」は、2020東京オリンピックの基本コンセプトの一つでした。人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる面での違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合い、多様な考えを生かしながら、社会を前へ進めようという考え方です。先端企業や大学がこぞって「ダイバーシティ推進」を掲げる中で、自然な成り行きと言ってよいでしょう。
 多様性(ダイバーシティ)は、幅広く性質の異なる群が有機的(※1)に存在することを意味します。反対語は「斉一性」「画一性」「均一性」となるでしょう。調和(ハーモニー)は、本来独立した諸要素が統一的全体をなしていることです。全体がほどよくつりあって、矛盾や衝突などがなく、まとまっていることです。似ている言葉としては「秩序」「均衡」があります。
 先端企業がダイバーシティを重視する背景には、競争を基本原理とするグローバル化の流れの中で、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応などのねらいがあります。高尚な理想を追求するだけのものではありません。相手の意見に同調し合って、仲良くやっているだけでは、他との競争に勝てません。組織内で程よい緊張感が起こり、適度な対立が生まれることによって、創造性や生産性を向上させようとする多様性の効能も戦略に入れています。発達障がいと言われるビル・ゲイツ(マイクロソフト)、スティーブ・ジョブズ(アップル)などが良い例です。
 「多様性と調和」は、誰にとっても耳触りの良い言葉ですが、この言葉は、拡散収束と似て、相互に両立し難い概念のようにも見えます。二律背反的な概念を並べたところに重要な意味があるのでしょう。
 学校において「一人ひとりの言うことを聴いていたら、学校の秩序は成り立たない」「一人よりも多数の生徒に配慮するのは当たり前」「義務を果たさない者に権利はない」と本音を述べる関係者は少なくありません。
 今、この多様性を強調するのは、これまでの日本の学校教育ではあまりにも「協調」「秩序」「画一性」が重視され、「みんな同じ」「和を乱さない」「右向け右」という同調圧力が強かったからです。これまでは、一糸乱れぬマスゲーム(※2)・集団行動のような、逸脱者や異端者のいない純度100%の集団を好んできました。相互互助的なムラ社会ではその方が良かったのです。
 統率の取れた組織は、混乱がなく管理しやすい利点もありますが、市場原理を勝ち抜く競争力や、コロナ禍のように、不確定な要素の中を切り抜ける高度な判断力・指導力が求められる時代には、斬新さや起爆力の欠ける活力の乏しい集団に陥る危険性があります。
 二つのコンセプトのバランスと、それぞれの成熟が求められていますが、不均等や矛盾も目立っています。学校を舞台とする訴えには、それを象徴するようなエピソードが数多くあります。
 最近では、暴言や体罰、地毛証明書などの合理性を欠く校則、規則や集団行動の過度な順守、性的マイノリティの孤立無援化など個別性軽視の事例や、学級崩壊やコントロール不能など不調和の事例が寄せられています。


(次回は、伝統的な学校マインドを第三者的な視点で眺めてみます)

子どもの権利擁護委員 関谷道夫


※1有機的…多くの部分から成り立ちながらも、各部分の間に密接な関連や統一があり、全体としてうまくまとまっているさま。
※2マスゲーム…多人数が集まって体操やダンスなどを一斉に行う集団演技。

問合せ

所属課室:青森市福祉部子育て支援課

青森市新町一丁目3-7 駅前庁舎2階・3階

電話番号:017-734-5320

ファックス番号:017-763-5678

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