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更新日:2020年7月30日

スタッフコラム【令和2年度第2号】

寛容な社会を実現するために①

1.私達は、どのようにしたら、偏見や差別を乗り越えて寛容な社会を実現できるのでしょうか。
 そもそも、偏見や差別はどうして生じるのでしょうか。
 人は、自分が不当な待遇を受けて苦しめられていると思い、不満を抱くと、その原因を他者に求めたくな
 ります。自分の困難な状況や不運をとにかく誰かのせいにして攻撃し、溜飲を下げる(カタルシス)ので
 す。そのことで自らの価値が回復されたかの如く錯覚をし、抑圧から解放された気分を味わおうとしま
 す。つまり、意図的に攻撃対象を作るのです。
 ネットにおける誹謗、中傷は正にこのようなカタルシスを得ることを目的としています。

2.ナチス政権下のヒトラーは、第一次世界大戦の敗戦の痛手を被っていたドイツ国民を一つの方向に呪縛す
 るために、ユダヤ人への偏見、差別を究極にまで煽り、大々的な攻撃対象としました。ユダヤ人に対する
 ホロコースト(大虐殺)は、ナチス政権の宣伝が巧妙であったために実現した面もありますが、攻撃対象
 を渇望していた多くの大衆が存在したからこそ現実のものとなったのです。攻撃対象に飢え、思考停止に
 陥ってしまった大衆の存在が必要不可欠でした。
 思考停止に陥れば、攻撃対象は誰でも良く、理由は何でもよいのです。物事を深く考えようとせず、不満 
 のはけ口を探している人にとっては、理由に合理性があるかないかはどうでもよいことなのです。

3.先日、横浜中華街の人たちが、新型コロナ感染症との関係で多くの誹謗、中傷、ヘイトスピーチに苦しめ
 られているというニュースがありました。横浜中華街の人たちが、感染症の原因を作った訳でも、撒き散
 らした訳でもありません。単に、ウイルスが中国由来ということだけで、誹謗、中傷されることは、全く
 不合理で理不尽極まりない話だと思います。

 


4.しかし、このような理不尽な話は、実は、私達の身近なところにも、子ども達の生活の場である家庭に 
 も、そして学校にも、大小の違いはありますが、存在しています。
 身近な小さな理不尽についても、放置することなく、おかしいことはおかしい、理不尽だと言えること
 が、思考停止に陥らないために、また人権感覚を常に鋭敏に磨くために必要なことだと思います。
 ところが、子ども達に体罰を加えたり、理不尽な校則を強制するならば、子ども達は思考停止に陥り、人
 権感覚は麻痺してしまいます。体罰は論外ですが、健全な批判精神を養うために、校則の内容について子
 どもたちに考えさせることが是非とも必要です。

 

 続く…

 子どもの権利擁護委員 沼田 徹

 ※続きは次回号で掲載します。

 

問合せ

所属課室:青森市福祉部子育て支援課

青森市新町一丁目3-7 駅前庁舎2階・3階

電話番号:017-734-5320

ファックス番号:017-763-5678

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