令和4年度第5号 「思い」を話すことができる子ども(2)(小林央美 委員)

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ページ番号1003594  更新日 2025年1月22日

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「思い」を話すことができる子ども(2)

地域で子どもを育てる環境
1960年代の子どもたちの写真を目にしたり、テレビでこの時代の子どもの遊びの様子などを見たことがあるかと思います。現代の子どもたちの様相とはずいぶん異なるように感じます。決して懐古主義ということではなく、当時の様相から学ぶことがあるのではないかと思うところを見ていきます。
まずは、年齢の異なる子どもたちが入り混じって一緒に遊んでいます。また、遊びは、全身をフルに活用しています。現代だと「危ないからやめなさい」と、思わず声をかけてしまいそうになるようなスリリングな遊びの様相です。また、そばには、地域の大人がたたずんでいることもあります。余計な言葉がけはしませんが、見守っているという感じがします。

そばに大人がいることの意味
全国でも早い時期から「子どもの居場所」を地域に提供する取組をした方がおっしゃっていました。子どもが「家庭の事、学校での悩み」を話すのは、一緒に遊んでいる最中だったり、遊びの様子を眺めているところにそっと、近づいてきて話し始めるというのです。

「困っていることを相談する」という意見表明権
子どもが「困っている」ことを相談する場面を考えてみると、勇気を出して相談窓口のドアをたたくということもあるのでしょうが、相談の入り口は日常の中にある「話ができる人がいる」という環境なのではないかと考えます。
「あなたが大事。あなたのことを信じているよ。他の人と比較して評価するなんてことはしないよ・・」という大人自身の子ども観をしっかり持ち、子どものそばにいることが重要なのだろうと思うのです。

人間は生理的早産
生物学者のアドルフ・ポルトマンは、人間を生理的早産であると言いました。端的に言うと、生まれたばかりの子どもは人の手をかけなければ生きていけない状態で生まれてくるということです。すなわち、それは、「泣く」という行動でヘルプサインを出すことのできる存在です。そのようにして生まれてきたわけですから、元々、子どもには、「困っていることを相談できる力」があるはずなのではないでしょうか。(次回に続きます)

イラスト:少年と赤ちゃん

子どもの権利擁護委員 小林 央美

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