常田 健(つねだ けん)

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ページ番号1005008  更新日 2024年12月28日

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写真::常田 健

常田健(1910~2000)は、1924年に弘前中学校に入学し、翌年、東京美術学校(現東京藝術大学)を卒業して赴任した穴澤赳夫から本格的な洋画技法を学びました。1927年には、穴澤赳夫、黒滝大休、内海九郎などと洋画グループ「未成社」を創立します。
1928年、中学校を卒業後、父の反対を押し切って上京し、川端画学校に入学します。卒業後は、日本プロレタリア美術家同盟研究所(プロレタリア美術研究所)で学びました。
1933年、郷里での軍事教練に反対した農業青年のストライキを聞き、帰郷しますが、ストライキは既に鎮圧された後でした。その後、関係者と交流があったと検挙、拘留されます。23歳で浪岡に戻った常田は、祖父の田畑やりんご園を手伝いながら、土蔵を改造したアトリエにひとり篭り、黙々と絵を描き始めます。以来、農民画家としての日々が続きました。
1934年、フレスコに興味を持ち、その表現を確立しようと、従兄の阿部合成とグループ「グレル家」を結成し研究を重ねます。この頃、地域の青年たちと絵画同好会「太陽会」を結成しています。
1939年、《ひるね》《飲む男》を二科展に出品し、《ひるね》が入選します。翌40年《睡れる水引人》、41年《はじまり》、43年《田の草取り》が二科展に入選し、それ以前とは異なる独自の画風が確立され、代表的な作品が誕生しました。二科展に度々入選した実績にも拘わらず、終戦後は中央画壇との縁を切ります。
1950年、相馬清、浜田正二、尾崎ふさ、山田治、千葉健作の画友たちと青森美術会を創立し、代表となります。1955年に日本美術会会員となり、主な作品の発表の場を青森平和美術展(青森美術会主催)と日本アンデパンダン展(日本美術会主催)としました。
常田健は、「絵は自分が描きたいから描く」という信念のもと、絵を売ることをせず、いつでも描いた絵を手直しできるようにそばに置き、土蔵のアトリエで制作し続けたことから「土蔵の画家」「大地の画家」などと称されています。

略年譜(1910~2000)

910年(明治43年) 青森県南津軽郡五郷村(現青森市)に生まれる。
1924年(大正13年) 青森県弘前中学校に入学。
1925年(大正14年) 穴澤赳夫から本格的な洋画技法を学ぶ。
1927年(昭和2年) 洋画グループ「未成社」の創立に参加。
1928年(昭和3年) 上京し、川端画学校に入学。
1930年(昭和5年) 日本プロレタリア美術家同盟研究所に入所。
1933年(昭和8年) 帰郷。農業に従事しながら、作品制作に励む。
1934年(昭和9年) 阿部合成とグループ「グレル家」を結成。
1939年(昭和14年) 「ひるね」「飲む男」を二科展に出品、「ひるね」が入選。
1940年(昭和15年) 「睡れる水引人」を二科展に出品、入選。
1941年(昭和16年) 「はじまり」を二科展に出品、入選。
1943年(昭和18年) 「田の草とり」を二科展に出品、入選。
1950年(昭和25年) 青森美術会の創立に参加。
1951年(昭和26年) 平井信作の新聞小説「生柿吾三郎の来歴」の挿絵を担当。
1955年(昭和30年) 日本美術会会員。青森平和美術展、日本アンデパンダン展に出品。(以降、毎年出品)
1975年(昭和50年) 赤塚僚三の小説「弾部隊始末記」の挿絵を担当。
1991年(平成3年) 第12回青森県文芸協会賞受賞。
1994年(平成6年) 第27回浪岡町表彰受賞。第2回烏城賞受賞。
1997年(平成9年) 第39回青森県文化賞受賞。
2005年(平成17年) 常田健 土蔵のアトリエ美術館開館。

常田健作品紹介

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  • ※作品の寸法は 縦×横 単位はセンチメートル
  • ※掲載の作品は全て青森市所蔵作品
  • ※美術作品の掲載には著作権保持者の許諾が必要です。本ホームページに掲載している美術作品の画像を無断で使用することはできません。
  • 写真:ひるね

    ひるね
    80.3×65.2
    油彩
    1940年

  • 写真:りんごもぎ

    りんごもぎ
    32.0×41.0
    油彩
    1950年

  • 写真:母子

    母子
    52.5×45.2
    油彩
    1972年

  • 写真:りんごの花

    りんごの花
    72.5×60.7
    油彩
    1985年

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