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更新日:2022年12月9日

スタッフコラム【令和4年度第8号】

ひとときの仮想劇場②
つかまえなさいチャンス~ミュージカル「ミス・サイゴン」~

 あげよう 私に無いもの
 大人になって つかむ世界を


 デスクワークを始める前に、モチベーションを高めるため、お気に入りの音楽を聴きます。パソコンの前は「仮想ミュージカル劇場」に変わります。
 魂を鼓舞するためには、「レ・ミゼラブル」の『民衆の歌』が最も効果的ですが、ミュージカル好きの友の勧めで、最近では「ミス・サイゴン」の『命をあげよう』をよく聞きます。
 今はウクライナ侵攻を盛んに取り上げますが、ちょっと昔はベトナム戦争でした。
 1970年代、ベトナム戦争末期のサイゴンの売春バーで働くベトナム人少女キムとアメリカ兵との悲恋の物語です。戦争によって引き裂かれる男女の葛藤と悲劇、希望と現実、生と死というテーマが壮大なスケールで描かれています。なによりも、"時代に翻弄されながらも、どう力強く生きていくか"という今日にも共通する普遍的な問題が横たわっています。

 将来がまったく見えない極限の状況で、どうしようもなくなった母キムが、米兵との間に生まれた小さな息子タムに向かって「つかまえなさいチャンス」と言って別れる時の切ない歌が「命をあげよう」です。「抱いてあやした子よ 何もねだらない」で始まり「お前のためなら 命をあげるよ」で終わります。s01
 売春街に身を落として、何もかもが壊れた極限の状態で、せめて愛する子どもだけは守ってあげたい。キムの夢は、我が子にアメリカで幸せな生活を送らせることでした。共倒れ寸前の生活の中で、自分がいてはタムもアメリカに行けないことを悟り、自ら命を絶つことを決意したのです。自分がいなくなれば、この子を見てもらえるかもしれないという微かな望みに、夢を託します。息子の幸せだけを願って自らの命を絶つフィナーレは、月並みであっても、涙が出てきます。
 必ずしも模範的な母の生き方を描いたものだとは思いませんが、戦争状態という苛酷な条件の中で、時代に翻弄されながら、絶望と微かな希望の狭間で、試行錯誤する人生模様はあり得る話です。
 自分の子に向かって、「お前にチャンスをあげるよ、あとは自分の力で捕まえなさい。」という思いは、母と子の究極の距離感であり、母のぎりぎりの贈り物だと感じました。親が出来ることはそんなものです。

 ウクライナでも、ロシア軍がザポリージャ原発を攻撃し火災まで発生する事態となって、原子力発電所の隣町に住んでいた11歳の男の子が、単身で、約1100kmの旅をして国境を越え、無事にスロバキアの親戚の元にたどり着いたと報じられました。母親は親の介護のために残らざるを得なかったといいます。
 先の見えない緊迫した状況の中で、「せめて我が子の命だけは」と見送った母の苦渋の決断は如何ばかりだったでしょう?母を残して、一人で他国に向かう11歳はどんな気持ちだったのでしょうか?

 母キムの歌が流れています。歴代のキム役で、新妻聖子は完璧な歌唱力ですが、でも、唄が上手過ぎます。母キム自身も十代ですから、もっと一途で、粗削りでもよい気がします。初代の本田美奈子、今年の昆夏美・屋比久知奈・高畑充希も魅力的です。

 皆さんにも、一人だけの劇場があるのでしょうか。
 そこには、どんな旋律が流れているでしょうか!?

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(次回の仮想劇場は「パリは燃えているか」です。)

子どもの権利擁護委員 関谷 道夫

 

 

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所属課室:青森市福祉部子育て支援課

青森市新町一丁目3-7 駅前庁舎2階・3階

電話番号:017-734-5320

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