青森操車場跡地利用構想
青森操車場跡地
青森操車場跡地は、青森市の中央部に位置し、昭和59年にその操車場としての機能を停止して以来、市街地中央部に残された約21.5haにわたる広大な遊休地となっていました。
市では、有識者からなる青森操車場跡地利用構想策定検討委員会を設置するとともに市民提案の募集や2回のフォーラムを開催するなど、幅広く市民意見を聴きながら、その利用コンセプトを検討し、平成9年11月11日に「利用構想」としてとりまとめました。
本ページでは、その「青森操車場跡地利用構想」を紹介しています。


基本的な考え方
青森市が都市として発展してきたこれまでの100年を振り返り、21世紀の本市を象徴する地区として、求められている都市の個性、アイデンティティ(独自性)を探しながら、長期的な展望のもと、新しい都市づくり・魅力あるまちづくりを進める好機ととらえ…
- 都市の個性、シンボルづくり
- 本市全体のまちづくりとの連携
- 時間をかけて育むまちづくり
- 市民の一体感をつくる
の4つの基本的視点に立ち、利用コンセプトを緑豊かな交流拠点 あおもりセントラルパークと設定しました。
このコンセプトのもと本跡地には、次に揚げるA~Cの機能に加え、補完的機能としてD1・D2を導入していくこととしています。
A 都市ゾーンのオアシスとなる緑のセントラルパーク
防災機能や景観にも配慮しつつ、既に整備されている遊歩道緑地や周辺の公園などとネットワークを図り、「青い森」の都市を象徴する"緑とオープンスペースの拠点"とする。
B 市街地全体の利便性を強化する交通結節点
東北本線で南北に分断される市街地中央部と新市街地間のアクセス(交通手段)を大幅に強化し、バスターミナルの配置、新駅設置による在来鉄道の有効活用により、市街地全体の利便性の向上を図る。また中心市街地の積極的活用を図る交通拠点とする。
C どこからでもアクセス容易な交流拠点
市街地の中央にあることや交通利便性の向上が図られることから、市内外から幅広い人々が集まり、文化活動や生涯学習などをはじめとする多様な交流が展開できる拠点としていく。
D1 健康福祉…だれもが都心生活を楽しめる安全快適ゾーン
周辺の福祉公共施設との連携を図りつつ、高齢者や障害者が雪の障害に悩まされることなく、コニュニティ(地域社会での親交)豊かで安全に安心して都市の利便性を享受でき、将来の高齢社会を先導する地区を形成する。
D2 資源循環…資源・エネルギー循環モデルゾーン
自然豊かな本市の環境を未来に引き継ぐ「環境共生型の都市」を先導する地区として、資源・エネルギーを有効に活用し環境負荷の少ない資源・エネルギー循環システムを構築する。
土地利用などについて
土地利用の基本的考え方を次のように示しました。
- 跡地全体にわたる大きな緑の空間、景観を創る
- 大きな敷地は細分化せずに、できる限り一体的に利用する
- 細長く不整形な敷地は、周辺市街地と接する面の長さを利点として活かす
- 西側JR機関区も考慮する
- 南側の周辺住宅市街地との調和に配慮する
土地利用、施設整備の方針
特に中央地区については、緑を中心とした大きな景観づくり、魅力的な交通・交流環境づくりのため、次のような方針を示しました。
- 東西に長く、南北に狭い敷地特性を考慮する(東西約900m、南北約30m~250m)
- 東西の長さ、奥行きを体感できるように視線を連続させる
- 南北に狭いため、できる限り分断せずに連続した空間として活用する
- 敷地東端は西から続く大きな空間の終点、東方に続く緑のネットワークとの結節点であることを考慮した空間づくりを行う
- 大きな空が広がるオープンスペースを主体とした大空間をつくる
- 造成や地下あるいは半地下建造物、建築物上部の緑化などにより、連続する緑、起伏に富む緑の景観を創出する
建築物
- 緑を主体とする景観づくりのため、建築物を導入する用地面積は必要最小限とする
- 配置に際しては、周辺施設との関係やアクセスを考慮しつつ大きな空間を分断しないこと、周辺市街地に圧迫感を与えないことを考慮する
- 緑と調和し、緑を楽しむデザインとしていく(木々の間に見え隠れする建築物、地下の活用、建物上部の緑化、半屋外空間の活用など)
駐車・駐輪場
- 地上における緑地の広がり、冬季の利便性などを確保するため、必要に応じて地下あるいは半地下空間、人工地盤下部の活用や建築物内部への設置を考慮する・平地に設置する場合は、できる限り緑の豊かな環境とする
- 緑の広場の一部を駐車場として活用することも検討する
その他
八甲田山など、本市を代表するランドマーク(目印)を活かした景観づくりを行う
みどりのネットワークゾーンのイメージ
- 交通拠点、緑の交流ゾーンへのアプローチ(並木・緑道・流れ・建築外構など)
- 歩行者・自転車主体(散歩・ジョギング・サイクリング・クロスカントリーなど)
- 中心市街地・主要施設・河川や公園を結ぶ、緑のネットワークとの有機的結合


今後の課題
1 市全域との連携
跡地利用の効果を最大限に発揮できるよう長期的な視点から、次の各項との連携を図っていく。
- 青森駅・港・空港・石江地区・東北縦貫自動車道インターチェンジなどの広域交通拠点と、市内を緊密に連絡する交通網の整備
- 市全域をめぐる緑のネットワーク(中心市街地、主要施設、河川や公園緑地を結ぶ緑のネットワーク)の整備
- 青森操車場跡地と中心市街地を結ぶ南北軸における沿道市街地の環境整備(良好な沿道景観、賑わいを楽しめる歩行者、自転車主体の都心ゾーン回遊ルート)
- 中心市街地の魅力強化
- 文教地区・施設などとの連携強化
- 東北本線を横断する道路など、青森操車場跡地へのアクセス道路の整備
- 東北本線の再整備などによる南北市街地の連絡強化
- 青森操車場跡地の西方に続く機関区の活用
- 周辺市街地整備(青森操車場跡地と連絡する歩きやすい細街路や小公園、広場などのネットワークの整備)
2 県・市有地の一体的な利用
緑の空間をできるだけ大きく確保するため、青森操車場跡地を所有する県と市がその空間を分断しないよう一体的な利用に配慮する。
3 計画推進方策と住民参加
これから具体的に土地利用や施設の計画を行い整備を進めるに当たって、できるだけ多くの市民が参加し、共に造りあげていけるような方策を検討する。また、各施設の利用方策についても市民から意見やアイデアを集め、管理運営への市民参加も検討していく。
これらにより施設への愛着の醸成、利用意識の向上を図り、青森操車場跡地が将来にわたって市民に愛され、利用され、心のよりどころとなる"青森のシンボル"となっていくことが望まれる。


今後のスケジュール
「青森操車場跡地利用構想」策定後、緑豊かな交流拠点としての整備に向け、メインとなる合計12.8ヘクタールの緑の拠点部分について、東側の県所有エリアには緑の大空間をイメージした「多目的芝生広場」、西側の市所有エリアには利用形態の自由度が高い「自由運動広場」を整備し、「青い森セントラルパーク」として、平成15年4月25日から供用を開始しており、多くの市民の皆さんのご利用をいただいているところです。
今後は、平成22年度末には東北新幹線新青森駅が開業することに伴い、新幹線開業効果を最大限に享受できるまちづくりの観点から、現JR東北本線が青い森鉄道に移行された際の有効活用が必要であり、通勤・通学など地域住民の利便性向上を図るため、青森操車場跡地地区に新駅及び駅前広場、アクセス道路等の整備を進めるとともに、残るエリアの利活用についても同利用構想を踏まえながら検討していくこととし、現在、関係機関等との協議・調整作業も併せて進めているところです。
このページに関するお問い合わせ
青森市都市整備部都市政策課
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