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更新日:2017年10月7日
「健康日本21(第二次)」では、カリウム、ビタミンC、食物繊維等の適量摂取が期待される量として、成人の野菜の平均摂取量を1日当たり350グラムとすることが目標とされています。
【参考】青森県の1日の野菜平均摂取量(平成28年国民健康・栄養調査より)
・男性:319グラム(全国5位)
・女性:300グラム(全国5位)
野菜には食物繊維・ビタミン・ミネラル類などが豊富に含まれており、これらの栄養素は、身体の調子を整えるだけでなく、循環器疾患やがんなどの生活習慣病を予防する働きがあります。
そして、野菜の種類によって、多く含まれる栄養素の種類も異なりますので、同じ種類の野菜ばかりではなく、できるだけ多くの種類で350グラムを食べることが望ましいです。
また、野菜のエネルギーや脂質の含有量は、他の食品に比べ低めですので、野菜を多く摂ることは、エネルギーや脂質の摂取を抑え、肥満を予防するという効果も期待できます。
生なら両手で3杯、茹でたものなら片手で3杯が350グラムの目安です。
350グラムの野菜を調理すると、小皿(小鉢)5皿分位の料理になります。従って、1日に小皿(小鉢)5皿の野菜料理を食べることで、目標の350グラムを食べることができます。朝・昼・夕に1~2皿ずつで、1日5皿を目指しましょう。
現在、男性・女性ともに小皿(小鉢)1皿分程度の野菜が不足しています。今の食生活に、もう小皿(小鉢)1皿分の野菜料理をプラスしましょう。
野菜に含まれる主な栄養素と、効果的に摂る食べ方についてご紹介します。
●食物繊維
食物繊維とは、ヒトの消化酵素では消化できない成分のことで、腸内環境を改善するなど生活習慣病予防効果が期待されています。水に溶けない不溶性と、水に溶ける水溶性に分類され、それぞれ生理作用に特徴があります。
・不溶性食物繊維
腸の働きを刺激して、腸内に発生した有害物質の排出を促す作用があるので、便秘を予防したり、腸に関する病気を抑制する働きがあります。
☆多く含む野菜:れんこん、オクラ、ごぼう、えだまめ、かぼちゃ 等
・水溶性食物繊維
血清コレステロールや血糖の上昇を抑える作用があり、高脂血症や糖尿病の予防効果が期待できます。また、腸内細菌の発酵を受けやすく、乳酸菌などを増やして腸内環境を改善します。
☆多く含む野菜:ごぼう、かぼちゃ、菜の花、春菊、人参、水菜 等
●食物繊維を効果的に摂る食べ方●
根菜には食物繊維が豊富な野菜が多いです。加熱した野菜は、生で食べるよりも量を摂ることができますので、煮物や、蒸し物などの調理法で食べることがおすすめです。
☆おすすめ料理例:筑前煮、温野菜 等
ビタミン類
ビタミンとは、生きていく上で必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称です。ほとんどの場合、生体内で合成することができないので、主に食事から摂取されます。
-水溶性ビタミン-
ビタミン類の中で、水に溶ける性質のものです。必要量以上を摂取した場合も、尿と共に体外へ排出されます。熱に弱く、調理によって損失しやすい栄養素です。
・ビタミンB群
ビタミンB1やB2は、糖質や脂質、たんぱく質から、身体や脳を動かすエネルギーを作り出すために必要で、疲労の予防と回復に欠かせないビタミンです。
また、葉酸(ビタミンB9)は赤血球の造血作用や皮膚や粘膜を強くする働きがあると共に、新生児の先天異常の予防効果もあるので、妊娠時には積極的に摂取してもらいたい栄養素の一つです。
☆多く含む野菜:えだまめ、にんにく、紫蘇、ししとうがらし 等
・ビタミンC
皮膚の老化を防ぐコラーゲンの生成を助け、肌にハリを持たせる効果があります。そして、メラニン色素の沈着を抑えるので、しみやそばかす、日焼けにも効果的です。
また、腸管からの鉄分の吸収率を高める働きもあります。
☆多く含む野菜:ピーマン、カリフラワー、パプリカ、ブロッコリー 等
水溶性ビタミンを効果的に摂る食べ方●
水に溶けやすく、熱に弱い性質なので、新鮮な野菜をそのまま生食したり、さっと茹でたりする調理法がおすすめです。また、調理時に煮汁やゆで汁に成分が溶け出すので、煮汁も一緒に摂れる汁物なども良いでしょう。
☆おすすめ料理例:サラダ、具だくさんのスープ 等
-脂溶性ビタミン-
脂溶性ビタミンは、水に溶けずに油に溶けやすく、熱に強い性質を持ちます。上限量が定められており、通常の食事ではその量を超えることはほとんどありませんが、サプリメント等で必要以上に摂り過ぎると、肝臓などに蓄積して過剰症を起こすこともあるので注意が必要です。
・ビタミンA
「目のビタミン」とも呼ばれ、目の角膜の細胞を作り、粘膜を健康に保ちます。また、物が見えたことを認識する網膜の組織であるロドプシンの材料にもなっています。
☆多く含む野菜:人参、トマト、ピーマン、かぼちゃ、ほうれん草 等
・ビタミンE
身体の酸化を防ぐ抗酸化作用や、毛細血管を広げて血行を良くし、肌に潤いを与える効果があります。また、血中でコレステロールを運んでいるリポたんぱく質の酸化も防ぐので、動脈硬化予防の効果もあります。
☆多く含む野菜:パプリカ、菜の花、ニラ、ブロッコリー、かぼちゃ 等
・ビタミンK
けがなどで出血した際に、傷口で血液を凝固させ、止血する働きを持ちます。また、カルシウムを骨に取り込むのを助けるので、骨粗鬆症の予防にも効果的です。
☆多く含む野菜:ブロッコリー、紫蘇、春菊、小松菜、パセリ 等
脂溶性ビタミンを効果的に摂る食べ方●
脂溶性ビタミンは油脂と一緒に摂ることで吸収が高まります。油で炒め物や揚げ物にする他、胡麻和えやアーモンドをまぶしたりするのも効果的です。
☆おすすめ料理例:野菜炒め、胡麻和え など
●ミネラル
ミネラルとは、無機質、灰分などとも呼ばれ、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミンと並び、五大栄養素の1つとして数えられています。
・カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあり、不足すると、高血圧やむくみの原因となります。
☆多く含む野菜:茄子、たけのこ、かぼちゃ、セロリ、ほうれん草、胡瓜 など
・カルシウム
骨や歯を作る材料となる他、筋肉や神経の働きに作用したり、精神を安定させてストレスを軽減させる働きなどを持ちます。
☆多く含む野菜:水菜、小松菜、つるむらさき、菜の花 等
・鉄
血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を体内へ運ぶ働きをします。不足すると、貧血などの原因となります。
☆多く含む野菜:とうがらし、ほうれん草、えだまめ、パセリ、サラダ菜 等
●ミネラルを効果的に摂る食べ方●
(カリウム)
酸味を利かせた料理は少ない塩分でも美味しく食べられるので、併せてカリウム豊富な食材を使用するとことで、高血圧の防止等に繋がります。野菜と共に、同じくカリウム豊富な海藻などを組み合わせると、より効果的でしょう。
☆おすすめ料理例:胡瓜とわかめの酢の物 等
(カルシウム)
野菜に含まれるカルシウムは、乳製品や小魚に比べ、吸収率が低いため、吸収率を上昇させるビタミンDを豊富に含むキノコ類を併せて摂取すると効果的です。
☆おすすめ料理例:小松菜としめじのお浸し 等
(鉄)
野菜に含まれる鉄は、動物性食品に含まれる鉄に比べ吸収率が低くなっていますので、吸収率を上昇させるビタミンCを併せて摂ると効果的です。ビタミンCが豊富な野菜の他、生でビタミンCが失われずに摂ることができる果物や、加熱に強い性質のビタミンCを持ついも類なども、食べ過ぎに注意しながら適量摂っていくと良いでしょう。
☆おすすめ料理例:じゃがいもとほうれん草のグラタン 等
●その他(ファイトケミカル)
ビタミンなど以外にも、「ファイトケミカル」と呼ばれる、植物の色素や香り・アクなどの成分は、身体の生理的機能を活性化させる”機能性成分”としての働きを持ちます。摂取量が少ないと欠乏症を起こすということはありませんが、病気の予防や健康を保つための必須成分として注目されています。
・ポリフェノール類
ほとんど全ての植物に存在する成分で、様々な種類があります。抗酸化作用の他、個々の成分によって、それぞれ独特の働きや効果を持ちます。
・カロテノイド類
植物だけではなく、動物性食品にも含まれる色素成分です。カロテノイド類の抗酸化作用は、複数を組み合わせることでさらに効果が増すので、様々な野菜を組み合わせて摂ると良いでしょう。
・イオウ化合物
ニンニクやネギ・ニラなどのユリ科や、大根・ワサビなどアブラナ科の食品に含まれる、刺激のある香り成分の総称です。抗酸化作用の他、強い殺菌作用をはじめ、血栓を溶かしたり、血液の循環を促進させる働きなどもあります。
野菜を美味しく手軽に350グラム食べるための工夫やアイデアとして「あおもり健康生活応援レシピ」「健康づくり応援店」をご紹介します。
(レシピ一例)
「トマトとたまねぎの和風マリネ」
→詳しいレシピはこちら(PDF:148KB)
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