○青森市消費生活条例

平成十九年三月二十六日

条例第二号

青森市民の台所を守る条例(平成十七年青森市条例第百六十三号)の全部を改正する。

目次

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 消費者利益の擁護と適正な事業活動の確保(第八条―第二十条)

第三章 消費者被害の救済(第二十一条・第二十二条)

第四章 消費者の自立支援と参加(第二十三条―第二十六条)

第五章 消費生活センター(第二十七条―第三十三条)

第六章 青森市消費生活審査会(第三十四条―第三十七条)

第七章 雑則(第三十八条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、市民の消費生活に関する市及び事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、消費者の権利の尊重及び自立の支援並びにその他消費生活に関する施策について必要な事項を定めることにより、市民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

(基本理念)

第二条 前条の目的を達成するため、消費者の利益の擁護及び増進に関するあらゆる施策(以下「消費生活に関する施策」という。)の推進は、市民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、次に掲げる事項を消費者の権利として尊重するとともに、消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。

 消費者の安全が確保されること。

 商品及びサービス(消費者が消費生活において使用し、又は利用するもので物以外のものをいう。以下同じ。)について自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。

 消費者に対し、必要な情報が提供されること。

 消費者に対し、消費生活に関する教育の機会が提供されること。

 消費者の意見が消費生活に関する施策に反映されること。

 消費者に被害が生じた場合には、適切かつ迅速に救済されること。

2 消費者の自立の支援に当たっては、消費者の安全の確保等に関して事業者による適正な事業活動の確保が図られるとともに、消費者の年齢その他の特性に配慮されなければならない。

3 消費生活に関する施策の推進は、高度情報通信社会の進展に的確に対応することに配慮して行われなければならない。

4 消費生活に関する施策の推進は、消費生活によって生ずる環境に及ぼす影響に配慮して行われなければならない。

(市の責務)

第三条 市は、経済社会の発展に即応して、前条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、消費生活に関する施策を計画的に実施するものとする。

(事業者の責務)

第四条 事業者は、第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ、その供給する商品及びサービス(以下「商品等」という。)について、次に掲げる責務を有する。

 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。

 消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。

 消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等に配慮すること。

 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。

 市が実施する消費生活に関する施策に協力すること。

(消費者の役割)

第五条 消費者は、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を習得し、及び必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。

2 消費者は、市が実施する消費生活に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(環境への配慮)

第六条 市、事業者及び消費者は、消費生活における環境への影響に各々の立場から配慮しなければならない。

(国又は他の地方公共団体との相互協力等)

第七条 市は、消費生活に関する施策の実施に当たり、必要に応じ、国又は他の地方公共団体に対し、情報の提供、調査の実施その他の協力を求め、又は適切な措置を講ずるよう要請するものとする。

2 市は、国又は他の地方公共団体が実施する消費生活に関する施策について、情報の提供、調査の実施その他の協力を求められたときは、これに応ずるものとする。

第二章 消費者利益の擁護と適正な事業活動の確保

(計量の適正化)

第八条 事業者は、商品等の供給に当たっては、消費者が不利益を被ることがないよう、適正な計量の実施に努めなければならない。

2 市長は、消費者と事業者との間の取引における商品等の供給について、適正な計量の実施を確保するために必要な施策を講ずるものとする。

(表示の適正化)

第九条 事業者は、消費者が商品の購入又はサービスの利用に際し、その選択又は使用若しくは利用の方法等を誤ることがないよう、商品等に係る品質、用途、内容その他の必要な事項を適切に表示するよう努めなければならない。

(包装の適正化)

第十条 事業者は、商品の内容を誇張し、廃棄物の量を増大させる等過大な包装をし、又は容器を用いてはならない。

(広告の適正化)

第十一条 事業者は、商品等に関する宣伝広告について、虚偽又は誇大な表現を用いる等消費者が選択を誤るおそれのある広告宣伝をしてはならない。

(生活必需商品等の確保)

第十二条 市長は、消費者の日常生活に必要な商品等(以下「生活必需商品等」という。)の安定した供給を確保するため必要があると認めるときは、当該生活必需商品等に係る事業者又は国若しくは他の地方公共団体に対し、その供給確保のための協力を求めるものとする。

(不当な取引行為の禁止)

第十三条 事業者は、消費者との間で行う商品等の取引に関し、次の各号のいずれかに該当する行為で市長が指定するもの(以下「不当な取引行為」という。)を行ってはならない。

 消費者に対し虚偽の事実を告げ、又は誤信を招く情報を提供し、消費者を威迫し、又は心理的に不安な状態に陥れる等の不当な方法で、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させる行為

 消費者に著しい不利益をもたらす不当な内容の契約を締結させる行為

 契約(契約の成立について当事者間に争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を不当に強要し、又は契約に基づく債務の履行を不当に拒否し、若しくは遅延させる行為

 消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは契約の取消し(以下「申込みの撤回等」という。)を妨げ、又は申込みの撤回等により生じる債務若しくは契約が無効であることに基づく債務の履行を不当に拒否し、若しくは遅延させる行為

 前各号に掲げるもののほか、他の事業者から商品の購入又はサービスの提供を受けることを条件又は原因として信用の供与をする契約又は保証を受託する契約(以下「与信契約等」という。)について、消費者の利益を不当に害することが明らかであるにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は不当な手段で与信契約等に基づく債務の履行を迫り、若しくは履行させる行為

2 第一項の規定による不当な取引行為の指定(指定の変更及び廃止を含む。)は、告示で行わなければならない。

(実態調査)

第十四条 市長は、事業者が不当な取引行為を行っているおそれがあると認めるとき及びこの条例の目的を達成するために必要があると認めるときは、直ちにその実態を調査するものとする。

(立入調査等)

第十五条 市長は、前条の調査のため必要と認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、当該事業者又はその関係人(以下「事業者等」という。)に対し、関係資料の提出、報告若しくは説明を求め、又は職員をして当該事業者等の事務所、営業所その他その事業を行う場所に立ち入らせて帳簿、書類、設備その他の物件を調査させ、又は事業者等に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査又は質問を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、事業者等の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(指導)

第十六条 市長は、前二条の規定による調査を行った結果、事業者等が不当な取引行為を行っていると認めるとき、又は正当な理由なく前条第一項の規定による関係資料等の提出等若しくは立入調査(以下「立入調査等」という。)に応じないときは、当該事業者等に対し、不当な取引行為を是正し、若しくは必要な措置を講じ、又は立入調査等に応じるよう指導することができる。

(勧告)

第十七条 市長は、前条の規定により指導を受けた事業者等がその指導に従わないとき(事業者等の所在が不明であるときを含む。)は、当該事業者等に対し、期限を定めて、不当な取引行為を是正し、若しくは必要な措置を講じ、又は立入調査等に応じるよう書面により勧告することができる。

2 市長は、事業者等の所在が不明である場合においては、当該事業者等の氏名又は名称及び代表者の氏名、勧告の内容並びに前項の規定による勧告の内容を記載した書面をいつでも当該事業者等へ交付する旨を青森市公告式条例(平成十七年青森市条例第四号)第二条第二項の掲示場(以下「掲示場」という。)に掲示することにより、前項の規定による勧告に代えることができる。この場合において、掲示を始めた日から二週間を経過した日をもって当該書面が当該事業者等に到達したものとみなす。

3 市長は、第一項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ青森市消費生活審査会の意見を聴かなければならない。

(公表)

第十八条 市長は、事業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を公表することができる。

 正当な理由なく前条第一項の規定による勧告に従わないとき。

 前条第二項の規定により、勧告に代えて掲示場への書面の掲示を行ったとき。

 指導又は勧告に至る手続において虚偽の説明又は報告をしたとき。

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該事業者等に対してその旨を書面により通知し、意見の聴取を行うものとする。ただし、当該事業者等が正当な理由なく意見の聴取に応じないときは、この限りでない。

3 前条第二項の規定は、前項の規定による書面による通知を行う場合について準用する。この場合において、前条第二項中「勧告の内容並びに前項」とあるのは「意見の聴取を行う期日及び場所並びに第十八条第二項」と、「勧告の内容を」とあるのは「通知の内容を」と、「前項の規定による勧告に代える」とあるのは「第十八条第二項の規定による通知に代える」とする。

(緊急の場合等の公表手続の特例)

第十九条 市長は、次の各号に掲げる場合においては、当該事業者等に対する指導、勧告及び意見聴取の手続を経ずに当該各号に定める事項を公表することができる。

 不当な取引行為により消費者の生命、身体又は財産に対して重大な危害を与えるおそれがあり、当該危害の発生を抑止するため必要があると認める場合 当該事業者等の住所又は所在地並びに氏名又は名称及び代表者の氏名(以下「事業者等の氏名等」という。)並びに当該不当な取引行為の内容

 不当な取引行為による消費者被害の防止又は抑止のために必要があると認める場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該事業者等を特定する内容を制限した上での当該不当な取引行為の内容

 第十四条の規定による調査を行った結果、事業者等が不当な取引行為を行っていると認められ、かつ、当該事業者等の氏名等が虚偽又は架空のものである場合 当該事業者等が使用している虚偽又は架空の事業者等の氏名等及び当該不当な取引行為の内容

(審査会への報告等)

第二十条 市長は、前条の規定による公表を行った場合は、事後速やかにその旨を青森市消費生活審査会に報告しなければならない。

2 第十八条第一項及び前条の規定による処分については、青森市行政手続条例(平成十七年青森市条例第二十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

第三章 消費者被害の救済

(苦情の処理のあっせん等)

第二十一条 市長は、消費者から事業者の供給する商品等又はこれらの取引行為に関する苦情の申出があったときは、当該苦情を適切かつ迅速に処理するため必要なあっせん、助言その他の措置を講ずるものとする。

(消費生活相談員)

第二十二条 市長は、消費者からの苦情を専門的知見に基づき適切かつ迅速に処理するため、消費生活相談員を配置するものとする。

第四章 消費者の自立支援と参加

(情報の収集及び提供)

第二十三条 市は、商品、サービスその他消費生活に関する情報を収集するとともに、消費生活の安定及び向上を図るために必要な情報を提供するものとする。

(消費者教育の推進)

第二十四条 市は、消費者が自主性をもって健全な消費生活を営むことができるよう、消費生活に関する教育の推進に努めるものとする。

(消費者団体の活動の推進)

第二十五条 市は、消費者団体の自主的な活動を支援するため必要な施策を講ずるものとする。

(市長への申出)

第二十六条 市民は、この条例に定める市の措置が講じられないことにより、広く市民の消費生活に支障が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、市長に対し、その旨を申し出て、必要な措置を講ずることを求めることができる。

2 市長は、前項の規定による申出があったときは必要な調査を行い、当該申出に相当の理由があると認めるときは、この条例に基づく措置その他必要な措置を講ずるものとする。

第五章 消費生活センター

(平成二八条例一七・追加)

(事務)

第二十七条 消費生活センター(消費者安全法(平成二十一年法律第五十号。以下「法」という。)第十条の二第一項第一号に規定する消費生活センターをいう。以下同じ。)は、法第八条第二項各号に掲げる事務のほか、次に掲げる事務を行う。

 第二十一条の規定による消費者からの苦情があったときの必要なあっせん、助言その他の措置を講ずること。

 第二十三条の規定による消費生活に関する情報の収集並びに消費生活の安定及び向上を図るために必要な情報の提供をすること。

 第二十四条の規定による消費生活に関する教育の推進に努めること。

 前三号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。

(平成二八条例一七・追加)

(名称及び所在等の公示)

第二十八条 市長は、消費生活センターを設置したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を公示しなければならない。当該事項を変更したときも、同様とする。

 消費生活センターの名称及び所在

 法第十条の三第二項に規定する消費生活相談の事務を行う日及び時間

(平成二八条例一七・追加)

(人員等の配置)

第二十九条 消費生活センターには、消費生活センターの事務を掌理する者及び消費生活センターの事務を行うために必要な者を置くものとする。

(平成二八条例一七・追加)

(消費生活相談員の配置)

第三十条 消費生活センターには、法第十条の三第一項に規定する消費生活相談員資格試験に合格した者(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成二十六年法律第七十一号)附則第三条の規定により合格した者とみなされた者を含む。)及びそれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると市長が認める者を消費生活相談員として置くものとする。

(平成二八条例一七・追加)

(研修及び消費生活相談員の人材の確保等)

第三十一条 市長は、消費生活センターにおいて法第八条第二項各号及び第二十七条各号に掲げる事務に従事する者に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保するものとし、並びに消費生活相談員が実務の経験を通じて専門的な知識及び技術を体得していることに十分配慮し、適切な人材の確保等に必要な措置を講ずるものとする。

(平成二八条例一七・追加)

(消費生活相談等の事務の実施により得られた情報の安全管理)

第三十二条 市長は、法第八条第二項各号及び第二十七条各号に掲げる事務の実施により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講ずるものとする。

(平成二八条例一七・追加)

(委託)

第三十三条 第二十九条から第三十一条までの規定による措置等については、事務の委託により行うことができる。

(平成二八条例一七・追加)

第六章 青森市消費生活審査会

(平成二八条例一七・旧第五章繰下)

(設置)

第三十四条 この条例の規定によりその権限に属する事項を審議するため、青森市消費生活審査会(以下「審査会」という。)を置く。

(平成二八条例一七・旧第二十七条繰下)

(組織)

第三十五条 審査会は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する委員十人以内で組織する。

 学識経験者

 消費者代表者

 事業者代表者

 関係行政機関の職員

2 委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

4 市長は、委員が前項前段の規定に違反したことが判明したとき、又は職務の遂行に必要な適格性を欠くと認めるときは、これを解嘱するものとする。

5 審査会に会長及び副会長を置き、委員の互選により定める。

6 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。

7 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(平成二八条例一七・旧第二十八条繰下・一部改正)

(会議)

第三十六条 審査会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 審査会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 審査会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 会長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、説明又は意見を求めることができる。

(平成二八条例一七・旧第二十九条繰下・一部改正)

(会長への委任)

第三十七条 この章に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、会長が審査会に諮って定める。

(平成二八条例一七・旧第三十条繰下)

第七章 雑則

(平成二八条例一七・旧第六章繰下)

(委任)

第三十八条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平成二八条例一七・旧第三十一条繰下)

(施行期日)

1 この条例は、平成十九年四月一日から施行する。

(青森市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正)

2 青森市特別職の職員の給与に関する条例(平成十七年青森市条例第四十九号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(青森市費用弁償条例の一部改正)

3 青森市費用弁償条例(平成十七年青森市条例第五十号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成二八年三月条例第一七号)

(施行期日)

この条例は、平成二十八年四月一日から施行する。

青森市消費生活条例

平成19年3月26日 条例第2号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第12類 会/第3章 市民生活
沿革情報
平成19年3月26日 条例第2号
平成28年3月28日 条例第17号