『浪岡町史』第2巻の編集にあたった町史編さん室主幹・工藤
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町史の第2巻は、「浪岡城と北畠氏」特集である。浪岡における歴史を語る場合、絶対に欠かす事ができない部分として、史跡浪岡城に拠った北畠氏の歴史があった。室町時代から戦国時代までの約200年間を町史の1冊として刊行することは、これまでの自治体史では行ったことのない冒険であった。
そのため、25年間に及ぶ中世城館・浪岡城跡の発掘調査と、明治以来続いている北畠氏に関する郷土史の研究成果を、最新の研究を踏まえて簡潔にまとめる必要にせまられた。
文献関係のまとめは、宮城教育大学教授・遠藤
北畠氏は貴族の出身であるがゆえに、津軽の中では「浪岡御所」と尊称されていたが、同時代史料の少なさによって「謎の名族」と見られていた。先生は、少ない史料の読み込みと後世に編さんされた各種の史料を駆使した上で、北奥羽の戦国社会という枠組みの中で実像としての「浪岡御所」を浮かび上がらせることに成功した。
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北畠氏の栄華を偲ぶ浪岡城跡(平成10年撮影) |
『広報なみおか』平成16年(2004)11月1日号に掲載
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