町史編さん事業も残り3か月となりました。ここで3月に刊行予定の第3巻をご紹介します。
「近世の浪岡」と題した第3巻は、弘前藩が成立するころから明治維新まで、江戸時代全般をまとめた内容となっています。
執筆者の中には、町史の原稿を完成させた後に逝去した七尾美彦氏(元黒石高等学校教諭)や歴史の生き字引であった葛西善一氏の原稿も入れ、県立郷土館学芸主幹・瀧本壽史氏の編集のもと、中野渡一耕氏(県広報公聴室総括主査)等によって執筆がなされました。
浪岡の村の原型は北畠氏の時代に成立しますが、きちんとした形になるのは江戸時代の初めです。当時の村の様子をあらわした、貞享検地の状況や天和の絵図 (1684年ころ)によって各村々を紹介し、街道に添って並ぶ村々を国文学研究資料館(東京)にある「御道国中道程之図」を使いながら解説します。ここでは、浪岡の地域が街道とともにあった「宿駅」としての性格を強調しています。
江戸時代の産業として、町場では酒造業や醸造業、村域では農業と林業そして殖産的性格の強い漆生産、馬産、製紙、養蚕も示されます。特に、浪岡は山野の多いところですから、マタギの活動もあり、藩主が鷹狩をするための「御
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江戸時代の村を表す天和の絵図 (四日町村:現在の北中野地区) |
『広報なみおか』平成17年(2005)1月1日号に掲載
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