多くの道が集る浪岡地域、昔から大勢の人々がそれぞれの目的を持って、この道を通りました。幕府の巡見使や藩主の視察、黒石藩の平内領連絡。庶民の旅も忘れられません。浅虫への湯治、これはお殿様も好きでした。津軽三十三観音巡礼で、入内観音から松倉観音に向かう人。繰り返す凶作で食べ物を求めてさまよう流民たち。さまざまな旅姿がありました。
ここで「藩律」という史料を紹介しましょう。200年前にはできていました。これには行政区画をはじめ、山や川、大きな坂、港や崎、名所・旧跡などを記しています。津軽地方の地理書です。それでは浪岡付近の事柄を拾ってみましょう。
「大山」の項では33の山に梵珠山が、「大川」39本には十川が含まれています。「沢」の数は柳窪山から津軽坂山にかけて30余りと記しています。
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「藩律」江戸時代の温泉所在記録 |
【浪岡町史編さん室長 佐藤仁】
『広報なみおか』平成7年(1995)12月1日号に掲載
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