ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 歴史 > メールマガジン「あおもり歴史トリビア」 > 「あおもり歴史トリビア」第149号(2015年3月13日配信)
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更新日:2017年3月9日
3月に入り、そろそろ冬の運動不足をなんとかしなくては!と思い始めました。
最近、テレビなどで「元気あっぷる体操」や「健康雪かき体操」など、音楽にあわせて楽しんで体を動かす青森県オリジナルの体操が紹介されていますね。他県にも、やはり同じようにいろいろなご当地体操があるようです。
青森県では60年ほど前にも「青森県民体操」というオリジナル体操が作られました。
市史編さん室が所蔵する資料に、市民の方から寄贈いただいた「楽しい県民体操」という解説書があります。これは、昭和28年(1953)10月に発表された体操で、青森県体操連盟が作成、青森県教育委員会が制定、曲は長谷川芳美氏によるものです。楽譜をみますとニ長調で始まる軽快な曲で、体を揺する、背伸び、足の屈伸などわかりやすい12種類の動きで、子どもから大人まで取り組めそうなものです。昭和29年度教育要覧(昭和29年12月5日 青森市教育委員会発行)には「小・中学校体育デーの県民体操」という写真が掲載されていますので、市内各学校で取り入れられていたようです。この体操は、雪国である青森県民のねこ背とO脚の矯正が大きなねらいで、また健康増進や疲労回復をも図るというものでした。
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また、昭和29年12月のラジオ青森(RAB)の週間プログラム(市史編さん室所蔵)には、朝は毎日6時25分から30分まで、昼は火曜日から土曜日の12時55分から1時まで「県民体操」の放送があります。朝は家庭で、昼休みには職場で、みんなで取り組もうということなのでしょう。
ラジオ青森の週間プログラム(市史編さん室蔵)
県民体操が制定されたのと同じ頃、弘前市では市内小学校体育教員らにより「制定体操」が作られ、これは現在も小学校連合体育大会で行われています。青森市小学校体育デーでは、現在はダンスNEBUTAが演じられていますね。この昭和28年頃は、戦後不足していた校舎の整備も進み、前年の市町村教育委員会の発足、翌年4月の社会教育課新設を受け、新しい教育に一歩踏み出した時期だったのでしょう。
昭和38年5月21日には、合浦の青森市営球場で開催された「青森市体操祭」で、市内13校の小学生1300名が公開演技で「青森県民体操」を披露しました。ほかには、市内8校の中学生1600名によるラジオ体操第一、青森高校生徒のマスゲーム「体操日本」、浪打中学校生徒の郷土民謡「十三の砂山」、青森商業高校生徒の「合同体操」といった種目が演じられました。この体操祭は、前日に平内町夜越山(よごしやま)で開催された「植樹行事および国土緑化大会」で来県された昭和天皇・皇后両陛下もご臨席になり、盛大に行われたようです。
![]() 青森市体操祭プログラム (市史編さん室蔵) |
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その後、県民体操は学校教育などの場から消えてしまったようで、いつごろまであったのか、調べてみましたがわかりませんでした。もし、ご存知のかたがいらっしゃいましたら教えていただければ幸いです。
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