○青森市準用河川条例

平成二十四年十二月二十五日

条例第八十五号

目次

第一章 総則(第一条―第三条)

第二章 河川管理施設等の構造基準

第一節 ダム(第四条―第十七条)

第二節 堤防(第十八条―第三十六条)

第三節 床止め(第三十七条―第四十条)

第四節 せき(第四十一条―第五十条)

第五節 水門及び(第五十一条―第五十八条)

第六節 揚水機場、排水機場及び取水塔(第五十九条―第六十四条)

第七節 (第六十五条―第七十二条)

第八節 伏せ越し(第七十三条―第七十七条)

第九節 雑則(第七十八条―第八十条)

第三章 河川及び河川管理施設等の管理(第八十一条―第八十八条)

第四章 雑則(第八十九条)

附則

第一章 総則

(趣旨)

第一条 この条例は、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号。以下「法」という。)の規定に基づき、市長が管理する準用河川(以下「河川」という。)に係る河川管理施設又は法第二十六条第一項の許可を受けて設置される工作物のうち、ダム、堤防その他の主要なもの(以下「河川管理施設等」という。)の構造の基準並びに当該河川及び河川管理施設等の管理に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第二条 この条例において使用する用語の意義は、法、河川法施行令(昭和四十年政令第十四号。以下「政令」という。)及び河川法施行規則(昭和四十年建設省令第七号)において使用する用語の例による。

(河川の管理)

第三条 法第百条第一項において準用する法第十三条第二項に規定する条例で定める河川管理施設等の構造の基準は第二章に、河川及び河川管理施設等の管理に関し必要な事項は第三章に定めるところによる。

第二章 河川管理施設等の構造基準

第一節 ダム

(適用の範囲)

第四条 この節の規定は、次に掲げるダム以外のダムについて適用する。

 土砂の流出を防止し、及び調節するため設けるダム

 基礎地盤から堤頂までの高さが十五メートル未満のダム

(構造の原則)

第五条 ダムの堤体及び基礎地盤(これと堤体との接合部を含む。以下同じ。)は、必要な水密性を有し、及び予想される荷重に対し必要な強度を有するものとするものとする。

2 コンクリートダムの堤体は、予想される荷重によって滑動し、又は転倒しない構造とするものとする。

3 フィルダムの堤体は、予想される荷重によって滑り破壊又は浸透破壊が生じない構造とするものとする。

4 ダムの基礎地盤は、予想される荷重によって滑動し、滑り破壊又は浸透破壊が生じないものとするものとする。

5 フィルダムの堤体には、放流設備その他の水路構造物を設けてはならない。

(堤体の非越流部の高さ)

第六条 ダムの堤体の非越流部の高さは、次の表の上欄に定める洪水吐きゲートの有無の区分に応じ、コンクリートダムにあっては同表の下欄に定める堤体の非越流部の高さの値(単位は、メートルとする。以下この条において同じ。)のうち最も大きい値以上、フィルダムにあっては同欄に定める値のうち最も大きい値に一メートルを加えた値以上とするものとする。

区分

堤体の非越流部の高さ

洪水吐きゲートを有するダム

Hn+hw+he+0.5(hw+he<0.5のときは、Hn+2)

Hs+hw+he÷2+0.5(hw+he÷2<1.5のときは、Hs+2)

Hd+hw+0.5(hw<0.5のときは、Hd+1)

洪水吐きゲートを有しないダム

Hn+hw+he(hw+he<2のときは、Hn+2)

Hs+hw+he÷2(hw+he÷2<2のときは、Hs+2)

Hd+hw(hw<1のときは、Hd+1)

備考

この表において、Hn、hw、he、Hs及びHdは、それぞれ次の数値を表すものとする。

Hn 常時満水位(単位 メートル)

hw 風による波浪の貯水池の水面からの高さ(単位 メートル)

he 地震による波浪の貯水池の水面からの高さ(単位 メートル)

Hs サーチャージ水位(単位 メートル)

Hd 設計洪水位(単位 メートル)

2 洪水吐きゲートを有しないフィルダムで、ダム設計洪水流量の流水が洪水吐きを流下する場合における越流水深が二・五メートル以下であるものに関する前項の規定の適用については、同項の表の洪水吐きゲートを有しないダムの項の下欄中「hw+he<2のときは、Hn+2」とあるのは「hw+he<1のときは、Hn+1」と、「hw+he÷2<2のきは、Hs+2」とあるのは、「hw+he÷2<1のときは、Hs+1」とする。

(堤体等に作用する荷重の種類)

第七条 ダムの堤体及び基礎地盤に作用する荷重としては、次の表の第一欄に定める貯水池の水位に応じ、それぞれ同表の第二欄から第四欄までに定めるものを採用するものとする。

貯水池の水位

重力式コンクリートダム

アーチ式コンクリートダム

フィルダム

ダムの非越流部の直上流部における水位が常時満水位以下又はサーチャージ水位以下である場合

W、P、Pe、I、Pd、U

W、P、Pe、I、Pd、U、T

W、P、I、Pp

ダムの非越流部の直上流部における水位が設計洪水位である場合

W、P、Pe、U

W、P、Pe、U、T

W、P、Pp

備考

この表において、W、P、Pe、I、Pd、U、Pp及びTは、それぞれ次の荷重を表すものとする。

W ダムの堤体の自重

P 貯留水による静水圧の力

Pe 貯水池内に堆積する泥土による力

I 地震時におけるダムの堤体の慣性力

Pd 地震時における貯留水による動水圧の力

U 貯留水による揚圧力

Pp 間げき圧(ダムの堤体の内部及びダムの基礎地盤の浸透水による水圧)の力

T ダムの堤体の内部の温度の変化によって生ずる力

(洪水吐き)

第八条 ダムには、洪水吐きを設けるものとする。

2 洪水吐き(減勢工を除く。)は、ダム設計洪水流量以下の流水を安全に流下させることができる構造とするものとする。

3 洪水吐きは、ダムの堤体及び基礎地盤並びに貯水池に支障を及ぼさない構造とするものとする。

(越流型洪水吐きの越流部の幅)

第九条 越流型洪水吐きを有するダムの上流における堤防(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る堤防(以下「計画堤防」という。)を含む。)の高さが当該ダムの設計洪水位以上非越流部の高さ以下である場合においては、第四十三条及び第四十四条の規定は、当該ダムの洪水吐きについて準用する。この場合において、第四十三条第一項中「径間長(隣り合うせき柱の中心線間の距離をいう。以下この節において同じ。)」とあり、並びに同条及び第四十四条中「径間長」とあるのは、「越流部の幅(洪水吐きの越流部が門柱、橋脚等によって分割されているときは、分割されたそれぞれの越流部の幅をいう。)」と読み替えるものとする。

(減勢工)

第十条 ダムの堤体又は下流の河床、河岸若しくは河川管理施設を保護するため、洪水吐きを流下する流水の水勢を緩和する必要がある場合においては、洪水吐きに適当な減勢工を設けるものとする。

(ゲート等の構造の原則)

第十一条 ダムのゲート(バルブを含む。以下この節において同じ。)は、確実に開閉し、かつ、必要な水密性及び耐久性を有する構造とするものとする。

2 ダムのゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。

3 ダムのゲートは、予想される荷重に対して安全な構造とするものとする。

4 ゲートを有する洪水吐きには、必要に応じ、予備のゲート又はこれに代わる設備を設けるものとする。

(ゲートに作用する荷重の種類)

第十二条 ダムのゲートに作用する荷重としては、ゲートの自重、貯留水による静水圧の力、貯水池内に堆積する泥土による力、貯留水の氷結時における力、地震時におけるゲートの慣性力、地震時における貯留水による動水圧の力及びゲートの開閉によって生ずる力を採用するものとする。

(荷重等の計算方法)

第十三条 第七条及び前条に規定する荷重の計算その他ダムの構造計算に関し必要な技術的基準は、規則で定める。

(計測装置)

第十四条 ダムには、次の表の上欄に定めるダムの種類及び中欄に定める基礎地盤から堤頂までの高さの区分に応じ、同表の下欄に定める計測事項を計測するための装置を設けるものとする。

ダムの種類

基礎地盤から堤頂までの高さ

計測事項

重力式コンクリートダム

五〇メートル未満

漏水量 揚圧力

五〇メートル以上

漏水量 変形 揚圧力

アーチ式コンクリートダム

三〇メートル未満

漏水量 変形

三〇メートル以上

漏水量 変形 揚圧力

フィルダム

ダムの堤体がおおむね均一の材料によるもの


漏水量 変形 浸潤線

その他のもの


漏水量 変形

2 基礎地盤から堤頂までの高さが百メートル以上のダム又は特殊な設計によるダムには、前項に規定するもののほか、当該ダムの管理上特に必要と認められる事項を計測するための装置を設けるものとする。

(放流設備)

第十五条 ダムには、河川の流水の正常な機能を維持するために必要な放流設備を設けるものとする。

(地滑り防止工及び漏水防止工)

第十六条 貯水池内若しくは貯水池に近接する土地におけるダムの設置若しくは流水の貯留に起因する地滑りを防止し、又は貯水池からの漏水を防止するため必要がある場合においては、適当な地滑り防止工又は漏水防止工を設けるものとする。

(貯水池に沿って設置する樹林帯)

第十七条 貯水池に沿って設置する樹林帯は、規則で定めるところにより、貯留水の汚濁又は貯水池への土砂の流入の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

第二節 堤防

(適用の範囲)

第十八条 この節の規定は、流水が河川外に流出することを防止するために設ける堤防及びかすみ堤について適用する。

(構造の原則)

第十九条 堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 高規格堤防にあっては、前項の規定によるほか、高規格堤防特別区域内の土地が通常の利用に供されても、高規格堤防及びその地盤が、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、高規格堤防設計水位以下の水位の流水の作用に対して耐えることができるものとするものとする。

3 高規格堤防は、予想される荷重によって洗掘破壊、滑り破壊又は浸透破壊が生じない構造とするものとし、かつ、その地盤は、予想される荷重によって滑り破壊、浸透破壊又は液状化破壊が生じないものとするものとする。

(材質及び構造)

第二十条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、高規格堤防以外の堤防にあっては、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとすることができる。

(高さ)

第二十一条 堤防(計画高水流量を定めない湖沼の堤防を除く。)の高さは、次の表の上欄に定める計画高水流量に応じ、計画高水位に同表の下欄に定める値を加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。

計画高水流量

計画高水位に加える値

一秒間につき二〇〇立方メートル未満

〇・六メートル

一秒間につき二〇〇立方メートル以上五〇〇立方メートル未満

〇・八メートル

一秒間につき五〇〇立方メートル以上二、〇〇〇立方メートル未満

一メートル

一秒間につき二、〇〇〇立方メートル以上五、〇〇〇立方メートル未満

一・二メートル

一秒間につき五、〇〇〇立方メートル以上一〇、〇〇〇立方メートル未満

一・五メートル

一秒間につき一〇、〇〇〇立方メートル以上

二メートル

2 前項の堤防のうち計画高水流量を定める湖沼又は高潮区間の堤防の高さは、同項の規定によるほか、湖沼の堤防にあっては計画高水位に、高潮区間の堤防にあっては計画高潮位に、それぞれ波浪の影響を考慮して必要と認められる値を加えた値を下回らないものとするものとする。

3 計画高水流量を定めない湖沼の堤防の高さは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位。次項において同じ。)に波浪の影響を考慮して必要と認められる値を加えた値以上とするものとする。

4 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位以上とするものとする。

(天端幅)

第二十二条 堤防(計画高水流量を定めない湖沼の堤防を除く。)の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が〇・六メートル未満である区間を除き、次の表の上欄に定める計画高水流量に応じ、同表の下欄に定める値以上とするものとする。ただし、堤内地盤高が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、計画高水流量が一秒間につき五百立方メートル以上である場合においても、三メートル以上とすることができる。

計画高水流量

天端幅

一秒間につき五〇〇立方メートル未満

三メートル

一秒間につき五〇〇立方メートル以上二、〇〇〇立方メートル未満

四メートル

一秒間につき二、〇〇〇立方メートル以上五、〇〇〇立方メートル未満

五メートル

一秒間につき五、〇〇〇立方メートル以上一〇、〇〇〇立方メートル未満

六メートル

一秒間につき一〇、〇〇〇立方メートル以上

七メートル

2 計画高水流量を定めない湖沼の堤防の天端幅は、堤防の高さ及び構造並びに背後地の状況を考慮して、三メートル以上の適切な値とするものとする。

(盛土による堤防の法勾のりこう配等)

第二十三条 盛土による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。次項において同じ。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が〇・六メートル未満である区間を除き、五十パーセント以下とするものとする。

2 盛土による堤防ののり(高規格堤防の裏のり面を除く。)は、芝等によって覆うものとする。

(高規格堤防に作用する荷重の種類)

第二十四条 高規格堤防及びその地盤に作用する荷重としては、次の表の上欄に定める河道内の水位に応じ、同表の下欄に定めるものを採用するものとする。

河道内の水位

荷重

計画高水位以下である場合

W、P、I、Pp

計画高水位を超え、高規格堤防設計水位以下である場合

W、P、Pp、τ

備考

この表において、W、P、I、Pp及びτは、それぞれ次の荷重を表すものとする。

W 高規格堤防の自重

P 河道内の流水による静水圧の力

I 地震時における高規格堤防及びその地盤の慣性力

Pp 間げき圧(高規格堤防及びその地盤の内部の浸透水による水圧)の力

τ 越流水によるせん断力

(荷重等の計算方法)

第二十五条 前条に規定する荷重の計算その他高規格堤防の構造計算に関し必要な技術的基準は、規則で定める。

(小段)

第二十六条 堤防の安定を図るため必要がある場合においては、その中腹に小段を設けるものとする。

2 堤防の小段の幅は、三メートル以上とするものとする。

(側帯)

第二十七条 堤防の安定を図るため必要がある場合又は非常用の土砂等を備蓄し、若しくは環境を保全するため特に必要がある場合においては、規則で定めるところにより、堤防の裏側の脚部に側帯を設けるものとする。

(護岸)

第二十八条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表のり面又は表小段に護岸を設けるものとする。

(水制)

第二十九条 流水の作用から堤防を保護するため、流水の方向を規制し、又は水勢を緩和する必要がある場合においては、適当な箇所に水制を設けるものとする。

(堤防に沿って設置する樹林帯)

第三十条 堤防に沿って設置する樹林帯は、規則で定めるところにより、洪水時における破堤の防止等について適切に配慮された構造とするものとする。

(管理用通路)

第三十一条 堤防には、規則で定めるところにより、河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を設けるものとする。

(波浪の影響を著しく受ける堤防に講ずべき措置)

第三十二条 湖沼、高潮区間又は二以上の河川(一級河川、二級河川及び普通河川を含む。)の合流する箇所の堤防その他の堤防で波浪の影響を著しく受けるものには、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずるものとする。

 のり面又は表小段に護岸又は護岸及び波返工を設けること。

 前面に消波工を設けること。

2 前項の堤防で越波のおそれがあるものには、同項に規定するもののほか、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずるものとする。

 天端、裏のり面及び裏小段をコンクリートその他これに類するもので覆うこと。

 法尻のりじりに沿って排水路を設けること。

(背水区間の堤防の高さ及び天端幅の特例)

第三十三条 河川と当該河川と合流する他の河川(一級河川、二級河川及び普通河川を含む。以下この条において同じ。)が合流することにより河川に背水が生ずることとなる場合においては、合流箇所より上流の河川の堤防の高さは、第二十一条第一項から第三項までの規定により定められるその箇所における当該河川と合流する他の河川の堤防の高さを下回らないものとするものとする。ただし、堤内地盤高が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間及び逆流を防止する施設によって背水が生じないようにすることができる区間にあっては、この限りでない。

2 前項本文の規定により河川の堤防の高さが定められる場合においては、その高さと河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、計画高水流量に応じ、第二十一条第一項の表の下欄に定める値を加えた高さとが一致する地点から当該合流箇所までの河川の区間(湖沼である河川の区間を除く。以下「背水区間」という。)の堤防の天端幅は、第二十二条第一項又は第二項の規定により定められるその箇所における当該河川と合流する他の河川の堤防の天端幅を下回らないものとするものとする。ただし、堤内地盤高が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。

(湖沼又は高潮区間の堤防の天端幅の特例)

第三十四条 計画高水流量を定める湖沼又は高潮区間の堤防に第三十二条第一項第一号に掲げる措置を講ずる場合においては、当該堤防の天端幅は、第二十二条第一項及び前条第二項の規定にかかわらず、第三十二条の規定により講ずる措置の内容及び当該堤防に接続する堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防)の天端幅を考慮して、三メートル以上の適切な値とすることができる。

(天端幅の規定の適用除外等)

第三十五条 その全部又は主要な部分がコンクリート、鋼矢板又はこれらに準ずるものによる構造の堤防については、第二十二条第三十三条第二項及び前条の規定は、適用しない。

2 胸壁を有する堤防に関する第二十二条第三十三条第二項及び前条の規定の適用については、胸壁を除いた部分の上面における堤防の幅から胸壁の直立部分の幅を減じたものを堤防の天端幅とみなす。

(連続しない工期を定めて段階的に築造される堤防の特例)

第三十六条 堤防の地盤の地質、対岸の状況、上流及び下流における河岸及び堤防の高さその他の特別の事情により、連続しない工期を定めて段階的に堤防を築造する場合においては、それぞれの段階における堤防について、計画堤防の高さと当該段階における堤防の高さとの差に相当する値を計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位。以下この条において同じ。)から減じた値の水位を計画高水位とみなして、この節(第三十三条及び前条を除く。)の規定を準用する。

第三節 床止め

(構造の原則)

第三十七条 床止めは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 床止めは、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。

(護床工及び高水敷保護工)

第三十八条 床止めを設ける場合において、これに接続する河床又は高水敷の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工又は高水敷保護工を設けるものとする。

(護岸)

第三十九条 床止めを設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、規則で定めるところにより、護岸を設けるものとする。

(魚道)

第四十条 床止めを設ける場合において、魚類の遡上等を妨げないようにするため必要があるときは、規則で定めるところにより、魚道を設けるものとする。

第四節 せき

(構造の原則)

第四十一条 せきは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 せきは、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びにせきに接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

(流下断面との関係)

第四十二条 可動ぜきの可動部(流水を流下させるためのゲート及びこれを支持するせき柱に限る。次条及び第四十四条において同じ。)以外の部分(せき柱を除く。)及び固定ぜきは、流下断面(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る流下断面を含む。以下この条、第六十三条第一項及び第六十六条第一項において同じ。)内に設けてはならない。ただし、山間狭さく部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるとき、及び河床の状況により流下断面内に設けることがやむを得ないと認められる場合において、治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、この限りでない。

(可動ぜきの可動部の径間長)

第四十三条 可動ぜきの可動部の径間長(隣り合うせき柱の中心線間の距離をいう。以下この節において同じ。)は、次の表の中欄に定める計画高水流量に応じ、同表の下欄に定める値以上(可動部の全長(両端のせき柱の中心線間の距離をいう。次項において同じ。)が、同表の中欄に定める計画高水流量に応じ、同表の下欄に定める値未満である場合には、その全長の値)とするものとする。ただし、山間狭さく部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

計画高水流量

径間長

一秒間につき五〇〇立方メートル未満

一五メートル

一秒間につき五〇〇立方メートル以上二、〇〇〇立方メートル未満

二〇メートル

一秒間につき二、〇〇〇立方メートル以上四、〇〇〇立方メートル未満

三〇メートル

一秒間につき四、〇〇〇立方メートル以上

四〇メートル

2 前項の表の一の項の中欄に該当する場合において、可動ぜきの可動部の全長が三十メートル未満であるときは、前項の規定にかかわらず、可動部の径間長を十二・五メートル以上とすることができる。

3 第一項の表の三の項又は四の項の中欄に該当する場合において、第一項の規定によれば径間長の平均値を五十メートル以上としなければならず可動ぜきの構造上適当でないと認められるときは、同項の規定にかかわらず、規則で定めるところにより、可動部の径間長をそれぞれ同表の三の項又は四の項の下欄に定める値未満のものとすることができる。

4 第一項の表の四の項の中欄に該当する場合においては、第一項の規定にかかわらず、流心部以外の部分に係る可動ぜきの可動部の径間長を三十メートル以上とすることができる。この場合においては、可動部の径間長の平均値は、前項の規定の適用がある場合を除き、四十メートル以上としなければならない。

5 可動ぜきの可動部が起伏式である場合においては、規則で定めるところにより、可動部の径間長を前各項の規定によらないものとすることができる。

(可動ぜきの可動部の径間長の特例)

第四十四条 可動ぜきの可動部の一部を土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねるものとする場合においては、前条第一項の規定にかかわらず、当該部分の径間長は、次の表の上欄に定める計画高水流量に応じ、同表の中欄に定める値以上とすることができる。この場合においては、可動部の径間長の平均値は、同条第二項に該当する可動ぜきの可動部を除き、同表の下欄に定める値以上でなければならない。

計画高水流量

可動部のうち土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねる部分の径間長

可動部の径間長の平均値

一秒間につき五〇〇立方メートル未満

一二・五メートル

一五メートル

一秒間につき五〇〇立方メートル以上二、〇〇〇立方メートル未満

一二・五メートル

二〇メートル

一秒間につき二、〇〇〇立方メートル以上四、〇〇〇立方メートル未満

一五メートル

三〇メートル

一秒間につき四、〇〇〇立方メートル以上

二〇メートル

四〇メートル

2 前項の規定によれば可動ぜきの可動部のうち土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねる部分以外の部分の径間長が著しく大となり、当該部分のゲートの構造上適当でなく、かつ、治水上の支障がないと認められる場合においては、規則で定めるところにより、可動部の径間長を同項後段の規定によらないものとすることができる。

(可動ぜきの可動部のゲートの構造)

第四十五条 第十一条第一項から第三項まで、第十二条及び第十三条の規定は、可動ぜきの可動部のゲートについて準用する。

2 前項に規定するもののほか、可動ぜきの可動部のゲートの構造の基準に関し必要な事項は、規則で定める。

(可動ぜきの可動部のゲートの高さ)

第四十六条 可動ぜきの可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、第二十一条第一項の表の上欄に定める計画高水流量に応じ、計画高水位に同表の下欄に定める値を加えた値以上で、高潮区間においては計画高潮位を下回らず、その他の区間においては当該地点における河川の両岸の堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の表のり肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。

2 可動ぜきの可動部の起伏式ゲートの倒伏時における上端の高さは、可動ぜきの基礎部(床版を含む。)の高さ以下とするものとする。

(可動ぜきの可動部の引上げ式ゲートの高さの特例)

第四十七条 背水区間に設ける可動ぜきの可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、治水上の支障がないと認められるときは、前条第一項の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。

 当該河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、第二十一条第一項の表の上欄に定める計画高水流量に応じ、同表の下欄に定める値を加えた高さ

 計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)

2 地盤沈下のおそれがある地域に設ける可動ぜきの可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、前条第一項及び前項の規定によるほか、予測される地盤沈下及び河川の状況を勘案して必要と認められる高さを下回らないものとする。

(管理施設)

第四十八条 可動ぜきには、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。

(護床工等)

第四十九条 第三十八条から第四十条までの規定は、せきを設ける場合について準用する。

(洪水を分流させるせきに関する特例)

第五十条 第四十二条及び第四十六条の規定は、洪水を分流させるせきについては、適用しない。

第五節 水門及び

(構造の原則)

第五十一条 水門及び門は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 高規格堤防設置区間(高規格堤防を設置すべきものとして市長が定めた河川の区間をいう。)及び当該区間に係る背水区間における水門及び門にあっては、前項の規定によるほか、高規格堤防設計水位以下の水位の流水の作用に対して耐えることができる構造とするものとする。

3 水門及び門は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに水門又は門に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

(構造)

第五十二条 水門及び(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

2 門は、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。

(断面形)

第五十三条 河川を横断して設ける水門及び門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量(舟の通行の用に供する水門にあっては、計画高水流量及び通行すべき舟の規模)を勘案して定めるものとする。

2 前項の規定は、河川以外の水路が河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける水門及び門について準用する。

(河川を横断して設ける水門の径間長等)

第五十四条 第四十二条から第四十四条まで(第四十三条第五項を除く。)の規定は、河川を横断して設ける水門について準用する。この場合において、第四十二条中「可動ぜきの可動部(流水を流下させるためのゲート及びこれを支持するせき柱に限る。次条及び第四十四条において同じ。)以外の部分(せき柱を除く。)及び固定ぜき」とあるのは、「水門のうち流水を流下させるためのゲート及び門柱以外の部分」と、第四十三条及び第四十四条中「可動ぜきの可動部」とあり、及び「可動部」とあるのは、「水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分」と、第四十三条第一項中「せき柱」とあるのは、「門柱」と読み替えるものとする。

2 河川を横断して設ける門で二門以上のゲートを有するものの内のり幅は、五メートル以上とするものとする。ただし、内のり幅が内のり高の二倍以上となるときは、この限りでない。

(ゲート等の構造)

第五十五条 水門及び門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。

2 水門及び門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

3 水門及び門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。

(水門のゲートの高さ等)

第五十六条 水門のカーテンウォールの上端の高さ又はカーテンウォールを有しない水門のゲートの閉鎖時における上端の高さは、水門に接続する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さを下回らないものとするものとする。ただし、高潮区間において水門の背後地の状況その他の特別の事情により治水上支障がないと認められるときは、水門の構造、波高等を考慮して、計画高潮位以上の適切な高さとすることができる。

2 第四十六条第一項の規定は、河川を横断して設ける水門(流水を分流させる水門を除く。)のカーテンウォール及びゲートの高さについて、第四十七条の規定は、河川を横断して設ける水門のカーテンウォール及びゲートの高さについて準用する。この場合において、これらの規定中「可動ぜきの可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さ」とあるのは、「水門のカーテンウォールの下端の高さ及び水門の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さ」と読み替えるものとする。

(管理施設等)

第五十七条 第四十八条の規定は、水門及び門について準用する。

2 水門は、規則で定めるところにより、管理用通路としての効用を兼ねる構造とするものとする。

(護床工等)

第五十八条 第三十八条及び第三十九条の規定は、水門又は門を設ける場合について準用する。

第六節 揚水機場、排水機場及び取水塔

(揚水機場及び排水機場の構造の原則)

第五十九条 揚水機場及び排水機場は、河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。

2 揚水機場及び排水機場のポンプ室(ポンプを据え付ける床及びその下部の室に限る。)、吸水槽及び吐出水槽その他の調圧部は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

(排水機場の吐出水槽等)

第六十条 門を有する排水機場には、吐出水槽その他の調圧部を設けるものとする。ただし、門が横断する河岸又は堤防(非常用の土砂等を備蓄し、又は環境を保全するために設けられる側帯を除く。第六十二条第一項第七十条第二項第七十五条第一項及び第七十七条において同じ。)の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。

2 吐出水槽その他の調圧部の上端の高さは、排水機場の門が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。

(流下物排除施設)

第六十一条 揚水機場及び排水機場には、土砂、竹木その他の流下物を排除するため、沈砂池、スクリーンその他の適当な流下物排除施設を設けるものとする。ただし、河川管理上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

(門)

第六十二条 揚水機場及び排水機場の門と門以外の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。

2 第五十四条第二項の規定は、揚水機場又は排水機場の門でポンプによる揚水又は排水のみの用に供されるものについては、適用しない。

(取水塔の構造)

第六十三条 取水塔(流下断面内に設けるものに限る。以下この条及び次条において同じ。)は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに取水塔に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

2 取水塔は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。

3 取水塔の河床下の部分には、直接取水する取水口を設けてはならない。ただし、取水口の規模及び深さ等を考慮して治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

(護床工等)

第六十四条 第三十八条及び第三十九条の規定は、取水塔を設ける場合について準用する。

第七節 

(河川区域内に設ける橋台及び橋脚の構造の原則)

第六十五条 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台又は橋脚に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。

(橋台)

第六十六条 河岸又は川幅が五十メートル以上の河川、背水区間若しくは高潮区間に係る堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防。以下この条において同じ。)に設ける橋台は、流下断面内に設けてはならない。ただし、山間狭さく部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。

2 堤防に設ける橋台(前項の橋台に該当するものを除く。)は、堤防の表のり肩より表側の部分に設けてはならない。

3 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。

4 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。

(橋脚)

第六十七条 河道内に設ける橋脚(基礎部(底版を含む。次項において同じ。)その他流水が作用するおそれがない部分を除く。以下この項において同じ。)の水平断面は、できるだけ細長い円形その他これに類する形状のものとし、かつ、その長径(これに相当するものを含む。)の方向は、洪水が流下する方向と同一とするものとする。ただし、橋脚の水平断面が極めて小さいとき、橋脚に作用する洪水が流下する方向と直角の方向の荷重が極めて大きい場合であって橋脚の構造上やむを得ないと認められるとき、又は洪水が流下する方向が一定でない箇所に設けるときは、橋脚の水平断面を円形その他これに類する形状のものとすることができる。

2 河道内に設ける橋脚の基礎部は、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この項において同じ。)及び低水路の河岸ののり肩から二十メートル以内の高水敷においては低水路の河床の表面から深さ二メートル以上の部分に、その他の高水敷においては高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この項において同じ。)の表面から深さ一メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面又は高水敷の表面より下の部分に設けることができる。

(径間長)

第六十八条 橋脚を河道内に設ける場合においては、当該箇所において洪水が流下する方向と直角の方向に河川を横断する垂直な平面に投影した場合における隣り合う河道内の橋脚の中心線間の距離(河岸又は堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防。以下この条において同じ。)に橋台を設ける場合においては橋台の胸壁の表側の面から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含み、河岸又は堤防に橋台を設けない場合においては当該平面上の流下断面(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る流下断面)の上部の角から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含む。以下この条において「径間長」という。)は、山間狭さく部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合を除き、次の表の式によって得られる値(その値が五十メートルを超える場合においては、五十メートル)以上とするものとする。ただし、径間長を次の表の式によって得られる値(以下この項及び第三項において「基準径間長」という。)以上とすればその平均値を基準径間長に五メートルを加えた値を超えるものとしなければならないときは、径間長は、基準径間長から五メートルを減じた値(三十メートル未満となるときは、三十メートル)以上とすることができる。

L=20+0.005Q

備考

この表において、L及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。

L 径間長(単位 メートル)

Q 計画高水流量(単位 一秒間につき立方メートル)

2 次の各号のいずれかに該当する橋(規則で定める主要な公共施設に係るものを除く。)の径間長は、河川管理上著しい支障を及ぼすおそれがないと認められるときは、前項の規定にかかわらず、当該各号に掲げる値以上とすることができる。

 計画高水流量が一秒間につき五百立方メートル未満で川幅が三十メートル未満の河川に設ける橋 十二・五メートル

 計画高水流量が一秒間につき五百立方メートル未満で川幅が三十メートル以上の河川に設ける橋 十五メートル

 計画高水流量が一秒間につき五百立方メートル以上二千立方メートル未満の河川に設ける橋 二十メートル

3 基準径間長が二十五メートルを超えることとなる場合においては、第一項の規定にかかわらず、流心部以外の部分に係る橋の径間長を二十五メートル以上とすることができる。この場合においては、橋の径間長の平均値は、これらの規定により定められる径間長以上としなければならない。

4 河道内に橋脚が設けられている橋、せきその他の河川を横断して設けられている施設に近接して設ける橋の径間長については、これらの施設の相互の関係を考慮して治水上必要と認められる範囲内において規則で定める。

(けた下高等)

第六十九条 第四十六条第一項及び第四十七条の規定は、橋のけた下高について準用する。この場合において、これらの規定中「可動ぜきの可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さ」とあるのは、「橋のけた下高」と読み替えるものとする。

2 橋面(路面その他規則で定める橋の部分をいう。)の高さは、背水区間又は高潮区間においても、橋が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。

(護岸等)

第七十条 第三十八条及び第三十九条の規定は、橋を設ける場合について準用する。

2 前項の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。

(管理用通路の構造の保全)

第七十一条 (取付部を含む。)は、規則で定めるところにより、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。

(適用除外)

第七十二条 第六十六条第一項から第三項まで、第六十七条第六十八条及び第六十九条の規定は、湖沼、遊水地その他これらに類するものの区域(規則で定める要件に該当する区域を除く。)内に設ける橋及び治水上の影響が著しく小さいものとして規則で定める橋については、適用しない。

2 この節(第六十九条及び前条を除く。)の規定は、ダム、せき又は水門と効用を兼ねる橋及び門又は取水塔に附属して設けられる橋については、適用しない。

第八節 伏せ越し

(適用の範囲)

第七十三条 この節の規定は、用水施設又は排水施設である伏せ越しについて適用する。

(構造の原則)

第七十四条 伏せ越しは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。

2 伏せ越しは、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、並びに付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。

(構造)

第七十五条 堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この項において同じ。)を横断して設ける伏せ越しにあっては、堤防の下に設ける部分とその他の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、堤防の地盤の地質、伏せ越しの深さ等を考慮して、堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。

2 第五十二条の規定は、伏せ越しの構造について準用する。

(ゲート等)

第七十六条 伏せ越しには、流水が河川外に流出することを防止するため、河川区域内の部分の両端又はこれに代わる適当な箇所に、ゲート(バルブを含む。次項において同じ。)を設けるものとする。ただし、地形の状況により必要がないと認められるときは、この限りでない。

2 第十一条第二項の規定は前項のゲートの開閉装置について、第四十八条の規定は伏せ越しについて準用する。

(深さ)

第七十七条 伏せ越しは、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この条において同じ。)及び低水路の河岸ののり肩から二十メートル以内の高水敷においては低水路の河床の表面から、その他の高水敷においては高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この条において同じ。)の表面から、堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この条において同じ。)の下の部分においては堤防の地盤面から、それぞれ深さ二メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面、高水敷の表面又は堤防の地盤面より下の部分に設けることができる。

第九節 雑則

(適用除外)

第七十八条 この章の規定は、次に掲げる河川管理施設又は法第二十六条第一項の許可を受けて設置される工作物については、適用しない。

 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の河川における応急措置によって設けられる施設又は工作物

 臨時に設けられる施設又は工作物

 工事を施行するために仮に設けられる施設又は工作物

 特殊な構造の施設又は工作物で、市長がその構造が第一節から第八節までの規定によるものと同等以上の効力がある と認めるもの

(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)

第七十九条 河川管理施設等が、これに係る工事の着手(法第二十六条第一項の許可を受けて設置される工作物にあっては、同項の許可。以下この条において同じ。)があった後における計画高水流量、計画横断形、計画高水位又は計画高潮位(以下この条において「計画高水流量等」という。)の決定又は変更によってこの章の規定に適合しないこととなった場合においては、当該河川管理施設等については、当該計画高水流量等の決定又は変更がなかったものとみなして当該規定を適用する。ただし、工事の着手が当該計画高水流量等の決定又は変更の後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。)に係る河川管理施設等については、この限りでない。

(小河川の特例)

第八十条 計画高水流量が一秒間につき百立方メートル未満の小河川に設ける河川管理施設等については、規則で定めるところにより、この章の規定によらないものとすることができる。

第三章 河川及び河川管理施設等の管理

(法に基づく許可の期間)

第八十一条 法第二十三条及び第二十四条の許可の期間は、発電のためにする水利使用に関するものについては二十年以内、その他のものについては十年以内とする。

2 法第二十五条及び第二十七条第一項の許可の期間は、三月以内とする。ただし、市長が必要と認めたときは、この限りでない。

(流水占用料等)

第八十二条 法第二十三条から第二十五条までの許可(以下「流水占用等の許可」という。)を受けた者は、流水占用料、土地占用料又は土石採取料その他の河川産出物採取料(以下「流水占用料等」という。)を納付しなければならない。

(流水占用料等の額)

第八十三条 流水占用料等の額は、別表のとおりとし、同表に定めのないものの占用料及び採取料の額については、同表に定める最高額を超えない範囲内において、占用等の許可をする都度類似する行為を基準として市長が定める。

(流水占用料等の徴収方法)

第八十四条 前条に規定する流水占用料等は、流水占用等の許可の際に徴収する。ただし、当該許可の期間が当該許可をした日の属する年度の翌年度以降にわたる場合の翌年度以降の流水占用料等は、それぞれの年度の初めにおいて、当該年度分を徴収する。

(流水占用料等の減免)

第八十五条 市長は、次に掲げる場合には、流水占用料等を減免することができる。

 国又は他の地方公共団体その他の公共団体が当該河川を公用若しくは公共用又は公益事業の用に供する場合

 前号に掲げるもののほか、市長が特に必要があると認める場合

(流水占用料等の返還)

第八十六条 流水占用等の許可について、許可を受けた者の申請に基づき、又は法第七十五条第二項の規定による処分により、流水の占用等をすることができる期間その他流水占用料等の額の算出の基礎となった事項に変更があったときは、その額を変更するものとし、既に納めた流水占用料等の額が当該変更後の額を超えるときは、その超える額の流水占用料等は返還するものとする。

(竹木の流送等の禁止又は制限)

第八十七条 市長は、河川における竹木の流送又は舟若しくはいかだの通航が、河川管理施設等を損傷するおそれその他河川管理上の支障があると認めるときは、水域及び期間を定めて当該竹木の流送又は舟若しくはいかだの通航を禁止し、又は制限することができる。

(河川又は河川管理施設等の管理上支障を及ぼす行為の禁止)

第八十八条 何人も、河川又は河川管理施設等において次に掲げる行為をしてはならない。

 河川又は河川管理施設等を損傷し、若しくは損傷するおそれのある行為又はこれらの機能を妨げる行為をすること。

 河川又は河川管理施設等に土石、竹木、ごみ、汚物その他これらに類する物を堆積し、又は投棄すること。

 その他河川又は河川管理施設等の保全又は利用に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。

第四章 雑則

(委任)

第八十九条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

この条例は、平成二十五年四月一日から施行する。

(平成三一年三月条例第二号)

(施行期日)

第一条 この条例は、平成三十一年十月一日から施行する。

(経過措置)

第十四条 第四十六条の規定による改正後の青森市準用河川条例別表の規定は、施行日以後に許可を受けた流水占用等に係る流水占用料等(以下この項において「流水占用料等」という。)について適用し、施行日前に許可を受けた流水占用料等(青森市準用河川条例第八十四条ただし書の規定により徴収する平成三十二年度以降の年度分の流水占用料等を除く。)については、なお従前の例による。

別表(第八十三条関係)

(平成三一条例二・一部改正)

区分

占用料等の額

土地占用料

工作物設置敷地

一平方メートルにつき 年額 八五円

物置場及び物干場

一平方メートルにつき 年額 四五円

一平方メートルにつき 年額 四五円

桟橋

一平方メートルにつき 年額 四五円

建物敷地

一平方メートルにつき 年額 一一五円

軌道

一平方メートルにつき 年額 五〇円

電柱、電線その他これらに類する工作物

電柱、電線その他これらに類する工作物に係る道路の占用料の額として青森市道路占用料徴収条例(平成十七年青森市条例第百九十八号)第二条の規定の例により算定される額

水管、下水道管、ガス管その他これらに類する工作物

水管、下水道管、ガス管その他これらに類する工作物に係る道路の占用料の額として青森市道路占用料徴収条例第二条の規定の例により算定される額

水面使用

一アールにつき 年額 四五円

流水占用料

工業又は鉱業用水利使用

使用水量毎秒〇・〇〇一立方メートルにつき 年額 一、九二三円

その他の水利使用

使用水量毎秒〇・〇〇一立方メートルにつき 年額 一四〇円

土石採取料その他の河川産出物採取料

砂利

一立方メートルにつき 年額 一六三円

一立方メートルにつき 年額 一一〇円

玉石

一立方メートルにつき 年額 二二五円

切込砂利

一立方メートルにつき 年額 一六三円

土砂

一立方メートルにつき 年額 八六円

転石

一立方メートルにつき 年額 一一〇円

切石

一立方メートルにつき 年額 一一〇円

備考

一 流水占用料等が年額で定められているものについて、流水占用等の期間(流水占用等の期間が二年度以上にわたるときは、各年度の流水占用等の期間とする。以下この号において同じ。)が一年に満たないとき、又は流水占用等の期間に一年に満たない端数があるときは、その全期間又は端数部分について月割りで計算する。この場合において、一月未満の日数は、一月とする。

二 占用面積が一平方メートル若しくは一アールに満たないとき、又は占用面積に一平方メートル若しくは一アールに満たない端数があるときは、その総面積又は端数部分について一平方メートル又は一アールとして計算する。

三 占用物件の延長が一メートルに満たないとき、又は占用物件の延長に一メートルに満たない端数があるときは、その総延長又は端数部分について一メートルとする。

四 流水の占用量が〇・〇〇一立方メートルに満たないとき、又は流水の占用量に〇・〇〇一立方メートルに満たない端数があるときは、その総量又は端数部分について〇・〇〇一立方メートルとして計算する。

五 土石その他の河川産出物の採取量が一立方メートルに満たないとき、又は土石その他の河川産出物の採取量に一立方メートルに満たない端数があるときは、その総量又は端数部分について一立方メートルとして計算する。

六 占用期間が一月に満たない場合の土地占用料の額は、この表の規定により算定した額に百分の百十を乗じて得た額とする。

七 一件の流水占用等の額が百円に満たない場合の流水占用等の額は、一〇〇円とする。

青森市準用河川条例

平成24年12月25日 条例第85号

(令和元年10月1日施行)

体系情報
第14類 設/第1章
沿革情報
平成24年12月25日 条例第85号
平成31年3月22日 条例第2号