○青森市で安全に安心して生活するための条例
平成十七年四月一日
条例第百四十三号
地方の都市化の進展とともに、人口の流動化による地域社会への帰属意識の低下、連帯意識の希薄化は、事故や災害等の危険、不安に対する従来地域社会が持っていた自主的な活動能力、問題解決能力の低下を招きつつあり、本市もその例外ではない。
その一方で、事故や災害等が発生した場合の地域による応急的な対応や、住民による防犯活動の必要性が増すなど、地域社会に求められる役割は増大している。
青森市にとって、住民の安全で安心な生活は、陸奥湾や八甲田山に代表される豊かな自然、ねぶたや版画に代表される世界に誇る文化と同様、青森市民憲章に謳う「夢と希望にあふれたしあわせなまち」に欠くことのできないものである。
自らの住む地域を暮らしやすいふるさととして創り上げるのは、そこに住む住民自らでなければできないという意識をすべての青森市民が共有するとともに、地域において課題を解決する際に、住民と行政がそれぞれの役割を自覚し、協働することによって、青森市が、年齢、性別、国籍、障害の有無等にかかわらず安全に安心して暮らせる住みよいまちであり、また、そうであり続けるよう、この条例を制定する。
(市の責務)
第二条 市は、市民が安全に安心して生活するための個々の施策を体系的に整備し、それらの実施に積極的に努めなければならない。
2 市は、市民、事業者並びに地縁による団体等の公共的団体、ボランティア及び民間非営利組織(以下「市民団体等」という。)による地域の課題を解決するための自主的な活動に対し、指導、助言、協力その他の支援を行うよう努めなければならない。
3 市は、第一項に規定する施策の策定及び実施に当たっては、必要に応じ国及び他の地方公共団体又は市を管轄する警察署、消防署等他の地方公共団体の機関(以下「関係行政機関」という。)から意見を聴くとともに、協力を求め、密接な連携を図らなければならない。
(市民等の責務)
第三条 市民は、相互扶助の精神に基づき、地域の課題を解決する主体は市民自らであることを自覚し、地域社会活動への参加、連帯意識の向上に努めるものとする。
2 市民は、安全に安心して生活するため、ごみ出しに関するマナー、雪捨てに関するマナー、愛玩動物の糞尿等の処理に関するマナーその他公共の場所又は自己若しくは他者の所有地において、他の迷惑となる行為をしないこと等の社会的マナーの向上に努めるものとする。
3 市民団体等は、市民の安全で安心な生活の実現のため、交通安全、防犯、防災、生活弱者の援護等自主的活動の積極的な推進に努めるものとする。
4 市民及び市民団体等は、市及び関係行政機関が実施する市民の安全で安心な生活の実現のための施策に協力するものとする。
(事業者の責務)
第四条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、その社会的責任を自覚し、従業員、顧客、周辺住民等のため自己の施設の防犯、バリアフリー化、駐車場での騒音防止等市民の安全で安心な生活の実現に必要な措置を講じるよう努めるものとする。
2 事業者は、市及び関係行政機関が実施する市民の安全で安心な生活の実現のための施策に協力するものとする。
(市の対応等)
第五条 市は、地域の課題のうち、市民の安全で安心な生活の実現のため当該地域の課題の解決に関与すべきと判断したものについては、次の各号のいずれかの方法により対応を行うものとする。
一 市が自ら解決を図ること。
二 市と市民、市民団体等又は事業者が協力して解決を図ること。
三 市民、市民団体等又は事業者に対する指導、助言等を行うこと。
2 市は、地域の課題の対応に係る体制を整えるものとする。
(要援護者等への配慮)
第六条 市、市民、事業者及び市民団体等は、高齢者、障害者、児童その他特に援護を必要とする者が地域において安全に安心して生活できるよう配慮するものとする。
(情報の提供、啓発活動等)
第七条 市は、市民、事業者及び市民団体等に対し、社会的マナーの向上及び自主的活動の推進並びに安全に安心して生活するための措置に必要な情報の提供並びに啓発活動を推進するとともに、安全に安心して生活するための学習機会の充実を図る等必要な施策を講じるものとする。
(主体的学習)
第八条 市民、事業者及び市民団体等は、あらゆる機会を通じて市民の安全で安心な生活の実現のための学習を行うよう努めるものとする。
(人材の育成)
第九条 市及び市民団体等は、市民が安全に安心して生活するための活動に必要となる人材を育成するよう努めるものとする。
(委任)
第十条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
この条例は、平成十七年四月一日から施行する。
附則(平成一七年六月条例第二四四号)
(施行期日)
この条例は、公布の日から施行する。