なみおか今・昔108

町史かわら版(15)

−浪岡城と北畠氏特集−
〜『浪岡町史第2巻』刊行になる〜

 浪岡町史待望の第2巻〜浪岡城と北畠氏特集〜をこのほど刊行しましたのでご紹介いたします。
 第1章から第6章までの、総頁数609頁の構成です。前半の1章〜2章は、遠藤巌(えんどういわお)執筆委員(宮城教育大学教授)が文献史料の側面から浪岡北畠氏像について整理し、提示しています。

浪岡町史第2巻

第1章 浪岡北畠氏に関わる同時代史料として注目されている『言継卿記(ときつぐきょうき)』・「歴名土代(れきめいどだい)」(共に東京大学史料編纂所蔵)の原史料から浪岡御所の記述を新たに見直し、また、浪岡北畠氏について度々利用されてきた「津軽郡中名字」についても再吟味、一般にもわかりやすく提示しています。

第2章 「浪岡御所北畠氏の盛衰」の標題で、浪岡に依拠した北畠氏について、浪岡への入部から滅亡まで、さらには滅亡後の浪岡御所の子孫についても現存する史料を整理、記述しています。

「歴名土代」(抜粋)
原資料での公開は町内初となる
「歴名土代」(抜粋)
東京大学資料編纂所蔵

第3章 木村浩一(こういち)執筆委員(浪岡町教育委員会生涯学習課勤務)が「浪岡城の位置と構造」の標題で、町内に残る資料(絵図や地図)と最新の発掘調査の成果をもとに浪岡城の範囲と構造を提示しています。また、浪岡城と関連する県内の城館については、写真を提示して紹介するなど、現在の状況がわかります。

第4章・第5章 本町史第2巻の編集作業にあたった工藤清泰(きよひと)編集委員(浪岡町教育委員会生涯学習課勤務、編さん室併任)が「浪岡城の発掘調査」の総集編といえる形で提示するとともに、その発掘調査の成果をもとに浪岡城の実像について再検討しています。

第6章 浪岡城の研究と史跡指定に至るまでの動きを、関わってきた人々の対応を提示しながらわかりやすく紹介しています。また、これまでの浪岡城と浪岡北畠氏の研究文献を一覧で提示しておりますので、浪岡城や浪岡北畠氏について調べる時などは参考になります。
 なお、『浪岡町史第2巻』は町民には3,000円(基本価格3,500円)で頒布しますのでどうぞ手にとってご覧になってみてはいかがでしょうか。

『広報なみおか』平成16年(2004)6月1日号に掲載


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