『浪岡町史別巻U』を読んだ感想文を紹介します。
今から十数年前、小学生のころ、自由研究か社会科の授業のために、私が行くことができる範囲内で、自転車を一生懸命こいで町内の神社や、石碑があるところなどを見て回った記憶があります。そのときは詳しい知識がなかったので、自分で想像できる昔の様子をいろいろと思い浮かべ、楽しんだことがありました。いつの時代のものかということや、読んだことがある歴史の本のことを思いだして、楽しんだりもしました。「浪岡町史」を読んでいくと、そのころのことを思い出し、懐かしくなりました。 第1章では、今まで何気なく見ていた石塔の由来について知ることができ、そして、その石塔のあった時代の背景がとても興味深かったです。学校で学ぶ日本の歴史は、中央の都についての出来事を主に学びます。しかし、地方についてはあまり触れないが、その当時浪岡にあった農耕や信仰について、石塔の数と凶作の関係から、とても興味深かったです。以前、何気なく見ていた石像物の意味を知り、今度見るときには新しい見方ができると思いました。 第2章では1枚1枚棟札を詳しく載せてあり、自分で読むことが出来ない文字があったら、わかりやすく調べることができると思いました。 第3章「紀行文の中の浪岡」では、日本史でも学んだ菅江真澄が津軽一円を回ったとあり、青森、弘前、深浦と経由している中で、浪岡も回ったのだろうなあと想像しました。ほかにも、浪岡について書かれた文献があり、その当時描かれた絵などを見て、絵に描かれているところの現在地を想像し、比較していました。 第4章では、生活の技として、屋根葺きや炭焼きなどについて書かれてあり、私は屋根葺きがどのように行われるか知らなかったので、詳しい作業工程を知ることができて嬉しかったです。作業工程を見て、自分が想像していた以上に手間と人手がかかることを知り、とても驚きました。 最後に、昔の浪岡町を写真で見て、祖父母の幼かったころはこんな町並みだったのだなと感慨深かったです。 自分が住んでいる町のことについて、知っているようで知らないことだらけでした。大まかな時代の流れは知っていても、建造物の細かなことは『浪岡町史』を読んで、詳しく知ることができました。わからない言葉もわかりやすく説明されていて読みやすかったです。 読みながら、浪岡町のいろんなことや自分の子供の頃のことが浮かんできて、とても楽しかったです。
『広報なみおか』平成16年(2004)2月1日号に掲載