○青森市環境基本条例
令和七年十二月二十四日
条例第二十九号
目次
前文
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第一節 施策の基本方針(第七条)
第二節 環境基本計画(第八条・第九条)
第三節 環境の保全及び創造のための施策等(第十条―第二十条)
第四節 地球環境の保全の推進(第二十一条)
第三章 環境審議会(第二十二条―第二十五条)
第四章 雑則(第二十六条)
附則
前文
青森市は、青森県の中央部に位置し、北は陸奥湾に面して青森平野が広がり、東から南にかけては奥羽山脈の一部をなす東岳山地から八甲田連峰が連なり、西は梵珠山を含む津軽山地から津軽平野へと続く雄大な自然環境に恵まれたまちである。また、縄文遺跡や中世の城跡などの文化的資源は、先人たちがこの豊かな自然から多くの恩恵を受けながら、伝統や文化をはぐくんできたことを今に伝えている。
しかしながら、近年の効率性や利便性を優先する社会経済活動や生活様式は、私たちに物質的な豊かさをもたらした一方で、環境への負荷を増大させ、人類の生存基盤である地球環境を脅かすまでに至っている。
私たちは、健康で文化的な生活を営むことのできる良好で快適な環境を享受する権利を有するとともに、かけがえのない美しい地球と、ふるさと青森市の恵み豊かな自然環境を将来の世代に引き継いでいく責務を有している。
このような権利と責務の下に、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない持続可能なふるさと青森市を、市、事業者及び市民が共につくりあげていくため、この条例を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、環境の保全及び創造について基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
一 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
二 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
三 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第三条 環境の保全及び創造は、市民が健康で文化的な生活を営む上で必要な環境を確保するとともに、これを将来の世代へ継承できるよう適切に行われなければならない。
2 環境の保全及び創造は、多様な自然に恵まれた本市の地域特性を生かし、人と自然との共生が確保されるよう適切に行われなければならない。
3 環境の保全及び創造は、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目指し、市、事業者及び市民がそれぞれの責務に応じた役割分担の下に自主的かつ積極的に行われなければならない。
4 地球環境の保全は、人類共通の課題であるとともに、市民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上で重要であることに鑑み、全ての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第四条 市は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、自らの施策を実施するに当たっては、環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に向けて率先して取り組まなければならない。
(事業者の責務)
第五条 事業者は、基本理念にのっとり、自らの責任において、事業活動に伴って生じる公害を防止するとともに、自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動において、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の適正な処理等を推進するとともに、製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷を低減するよう努めなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(市民の責務)
第六条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、資源及びエネルギーの節約、廃棄物の発生の抑制等により、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めなければならない。
第二章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第一節 施策の基本方針
第七条 市は、環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項が実現されるよう総合的かつ計画的に行うものとする。
一 市民の健康が保護され、及び生活環境が保全されるよう、大気、水、土壌等が良好な状態に保持されること。
二 生物の多様性の確保が図られるとともに、人と自然が共生する良好な環境が確保されるよう、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が適正に保全されること。
三 市民が潤いと安らぎに満ちた快適な生活を営むことのできる環境が確保されるよう、緑化の推進、良好な景観の形成等快適できれいなまちづくりが推進されること。
四 資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用並びに廃棄物の発生の抑制及び適正な処理により、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築が図られること。
五 地域における環境への負荷の低減に向けた取組を通じて、地球環境の保全に適切な配慮がなされること。
第二節 環境基本計画
(環境基本計画)
第八条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 環境の保全及び創造に関する目標
二 環境の保全及び創造に関する施策の方向
三 前二号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画の策定に当たっては、あらかじめ、青森市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前二項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(年次報告書)
第九条 市長は、毎年、環境の状況並びに市が講じた環境の保全及び創造に関する施策の実施状況等を明らかにした報告書を作成し、これを公表しなければならない。
第三節 環境の保全及び創造のための施策等
(施策の策定等に当たっての配慮)
第十条 市は、施策の策定及び実施に当たっては、環境基本計画との整合を図るとともに、環境の保全及び創造に配慮するものとする。
(環境影響評価の推進及び自然環境等と再生可能エネルギーとの共生)
第十一条 市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たり、あらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するために必要な措置を講ずるものとする。
2 前項に定めるもののほか、市は、再生可能エネルギー発電事業について、自然環境、景観、歴史・文化等との共生を図るために必要な措置を講ずるものとする。
(規制の措置)
第十二条 市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
2 市は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
3 前二項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するために必要な規制の措置を講ずるよう努めるものとする。
(誘導的措置)
第十三条 市は、事業者又は市民が自らの活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることとなるよう誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境の保全及び創造に関する施設の整備等)
第十四条 市は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備を推進するために必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するために必要な措置を講ずるものとする。
(資源の循環的な利用等の促進)
第十五条 市は、環境への負荷の低減が図られるよう、事業者及び市民による資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用並びに廃棄物の発生の抑制及び適正な処理が促進されるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 市は、再生資源その他環境の負荷の低減に資する製品、原材料、役務等の利用が促進されるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(教育及び学習の振興等)
第十六条 市は、事業者及び市民が環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、これらの者が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動が促進されるようにするため、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実その他の必要な措置を講ずるものとする。
(民間団体等の自発的な活動の促進)
第十七条 市は、事業者、市民又はこれらの者の組織する民間の団体(次条において「民間団体等」という。)が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(調査の実施及び監視等の体制の整備)
第十九条 市は、環境の状況の把握に関する調査その他の環境の保全及び創造に関する施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
2 市は、環境の状況を把握し、並びに環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、観測、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第二十条 市は、広域的な取組が必要とされる環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
第四節 地球環境の保全の推進
第二十一条 市は、地球環境の保全に資する施策を積極的に推進するよう努めるものとする。
2 市は、国、他の地方公共団体、民間団体その他の関係機関と連携し、地球環境の保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。
第三章 環境審議会
(環境審議会)
第二十二条 市長の諮問に応じ、環境基本計画その他環境の保全及び創造に関する施策の基本的事項を調査審議するため、青森市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、環境の保全及び創造に関する施策について必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。
(組織及び運営)
第二十三条 審議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱した委員をもって組織する。
一 学識経験を有する者
二 関係団体の代表者
三 関係行政機関の職員
四 その他市長が必要と認める者
2 前項の委員の定数は、二十人以内とする。
3 委員の任期は、二年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 市長は、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
5 審議会に、会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める。
6 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
7 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第二十四条 審議会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。
2 審議会は、委員及び臨時委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員及び臨時委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
4 審議会は、審議のために必要があると認めるときは、職員その他関係者の出席を求め、意見を聴き、又は説明を求めることができる。
(部会)
第二十五条 審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。
2 部会に属すべき委員及び臨時委員は、会長が指名する。
3 部会に部会長を置き、部会に属する委員及び臨時委員の互選によってこれを定める。
4 部会長は、部会の事務を掌理する。
5 部会長に事故があるとき、又は部会長が欠けたときは、あらかじめ部会長の指名する委員又は臨時委員がその職務を代理する。
第四章 雑則
第二十六条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定め、その他この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(青森市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正)
2 青森市特別職の職員の給与に関する条例(平成十七年青森市条例第四十九号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(青森市費用弁償条例の一部改正)
3 青森市費用弁償条例(平成十七年青森市条例第五十号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略