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百万遍念仏は、特に疫病退散を願う民衆によって、春・秋の彼岸の季節や疫病がはやり出すと臨時に行なって来ました。 現在も上野では、彼岸の入り、中日、シメの3回に分けて百万遍を行なっています。この時、大きな数珠を輪にして女性が中心に数珠を回しながら「ナミアミダブツ」を唱えムラを歩きます。大きな数珠の玉が来ると額につけて祈ります。ムラの端には、悪い風邪など入らぬようにと御幣を立てます。また、ムラを巡る時お米とお布施を各戸からいただき、これで赤飯を炊いて、ムラの入り口の石塔のそばに供えたり、また最後の日には集会所に集まり直会をするのもムラ人の楽しみの一つとなっていました。 戦後、ムラのなかを車が頻繁に走るようになると、百万遍も輪になって回さず首に掛けて回すムラも出てきました。しかし、疫病を恐れ、神仏に祈ることが希薄となった現代においても地域の絆を百万遍の数珠を回すことによって、今なお信仰が継続されています。 【民俗部会執筆編集員 大湯卓二】 ※『広報あおもり』2002年6月1日号に掲載 |
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