あおもり今・昔127

遺跡・史跡・特別史跡

 現在日本には、遺跡が約44万か所あり、そのうち縄文時代の遺跡が約10万か所で非常に多いといえます。
 これは縄文時代が一万年間と大変長く続いたことが大きな理由と考えられます。
 市内にも約300か所の遺跡があり(県内では約4,500か所)、その約65%が縄文時代の遺跡です。まさに縄文遺跡の宝庫といえます。
上空から見た特別史跡「三内丸山遺跡」
▲上空から見た特別史跡「三内丸山遺跡」
 これらの遺跡の中で、学術的価値が高く、重要なものは法律に基づき「史跡」として指定されています。小牧野遺跡や三内丸山遺跡などがそれにあたります。
 史跡は現在約1,500か所ありますが、縄文遺跡の史跡は約150か所で遺跡数に比べると少ないことから、内容が充実し保存状態が良好な遺跡が、選りすぐられて史跡になっているといえるでしょう。
 史跡の中でも特に重要なものは「特別史跡」に指定されています。遺跡をものにたとえて「史跡」は「重要文化財」、「特別史跡」は「国宝」とも表現される場合があります。縄文遺跡で特別史跡は全国でわずか3か所しかありません。長野県茅野(ちの)尖石(とがりいし)遺跡、秋田県鹿角市大湯環状列石、そして青森市三内丸山遺跡です。
 三内丸山遺跡は平成12年に特別史跡となりましたが、縄文遺跡としては実に44年ぶりの指定でした。遺跡の内容が素晴らしいことは当然ですが、調査成果の積み重ね、市民の皆さんの保存への熱意や応援が大きく貢献したものと考えられます。
【考古部会執筆編集員 岡田康博】

※『広報あおもり』2004年6月1日号に掲載


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