雪は、気温が低下して大気中の水蒸気が凝結したものですが、詳しく観察するとその姿・形はさまざまです。大別して、水蒸気が小さな氷粒の周りに結晶として成長したものと、マイナスの温度でも凍らない過冷却の水滴が、氷粒に触れて瞬時に凍りつき成長した
また八甲田の樹氷は、過冷却の水滴が次々に樹木に衝突して凍結・成長したものですが、私たちが目にするのは表面に雪結晶が付着しています。樹氷ができるためには、多量の過冷却水のほかに、寒さと季節風と寒さに強い樹木が必要です。これらすべての条件を満たす地域は、蔵王と八甲田に限られているのです。 太平洋側の冬の始めは、青い空からいくつもの雪結晶が重なり合ってぼたん雪が舞い降りてきます。日本海側では、空から降ってきた雪が地表近くで解け出した、雨混じりの雪(しぐれ)が冬の訪れを告げます。雪は七変化、ところ変われば姿・形も変わります。 【自然部会執筆編集員 力石國男】 ※『広報あおもり』2000年3月1日号に掲載 |