気象庁発行の「日本気候表」によれば青森市の年間降雪量は812センチメートルで、都市にある気象台や測候所などの気象官署の中で新庄市・岩見沢市を抜いて日本一です。世界的に見れば、豪雪地帯は山間部や極地方などあまり人の住まない所にあるので、青森市は世界一の豪雪都市と言えます。なぜ、寒い北海道や雪国新潟の都市ではなく、青森市が世界一の豪雪都市なのでしょうか? 八甲田を迂回する南西風は、冷たい季節風が下層に下りて、地形に沿って吹くために生じます。しかし、風速が強くなると、季節風は八甲田を迂回せずに越えていくため、雪は八甲田を中心とした山雪になります。青森市で最も多く雪が降るのは、気温が低く風速が毎秒4〜5メートル位のときです。 冬に、浪岡方面から青森へドライブをすると、雲の流れから大釈迦峠付近で北西風と南西風が合流する様子を垣間見ることがあります。機会があったら、ぜひ空を見上げてみてください。 【自然部会執筆編集員 力石國男】 ※『広報あおもり』2000年1月1日号に掲載
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