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更新日:2018年1月18日

「あおもり歴史トリビア」第199号(2016年3月4日配信)

昭和32年の青森市『旅館サービス手帳』(担当:鈴木)

こんにちは!嘱託員の鈴木です。春になると旅に出たくなりませんか?

歴史資料室が所蔵する資料に『旅館サービス手帳』という小冊子があります。これは今から59年前の昭和32年(1957)に青森市役所商工水産課が発行したもので、旅館業に従事する人、特に第一線で接客する「女中さん」に対し、近代的な旅館のあれこれを説いたものです。昭和30年代は、青森市も観光に力を入れはじめ、また本州と北海道をつなぐ玄関口として青森駅に多くの人が降り立った時代です。市内の旅館はずいぶん活気があったことでしょう。この少し前の昭和28年版『商工名鑑』をみますと、当時の青森市内の旅館38軒に対してホテルは4軒、まだまだ圧倒的に旅館が多い時代でした。

『旅館サービス手帳』
『旅館サービス手帳』
(歴史資料室蔵)

そのころの旅館は、各部屋を受け持つ女中さんが室内まで案内し、お茶を入れ、お客が脱いだ洋服をハンガーに掛けて、ブラシまでかけてくれました。食事は部屋に運び、お給仕もしてくれます。そういったとき、女中さんとの会話も旅の醍醐味でした。ですから、わかる程度の方言ならかえって旅の情緒があって思い出になるのでよいとしています。

また、お客の床を延べる際には、お客のズボンを敷布団の間に敷きこんで寝押しすることを勧めています。当時はスチームアイロンも折り目のプリーツ加工も普及していないため、ウールのズボンなどはむやみにアイロンをかけると生地がテカテカになってしまうからです。さらに、布が重なって厚みのある部分が腰に当たりゴロゴロしないよう身体に直角の向きに置く、センターの折り目が二本にならないよう注意するなど、こまごまとした心得も書かれています。

ほかには、部屋に入る時に声を掛けてすぐに「ごめんくださいっ!」ガラガラッといきなり開けず、中の返事を待ってから戸を開けましょうなど、今では常識すぎてびっくりするような指南も書かれています。

この冊子では、旅館の女中は今や立派な職業であり、そのサービスは商品を美しい包装で販売するのと同様に宿泊の商品価値を高める役割があるとして、いかに接客が旅館にとって大切かを説いています。そして、サービスとは損得やお金の問題ではなく、自分の本来の仕事を完全に、しかも常に善意をもって果たすことだという言葉に、新しい時代の接客という職業に誇りをもって従事してほしいという思いを感じました。

今の私たちは、部屋に入ると完全なプライベート空間になる洋式のホテルに慣れてしまい、こうしたやり取りは面倒に感じるかもしれません。でも、こんな旅館に泊まって旅した時代もあったのですね。

※一部の用語について、参考とした資料が作成された当時の時代背景を尊重し、そのまま掲載しています。

問合せ

所属課室:青森市教育委員会事務局市民図書館 担当者名:歴史資料室

青森市新町一丁目3-7

電話番号:017-732-5271

ファックス番号:017-732-5272

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