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更新日:2017年3月9日

「あおもり歴史トリビア」第167号(2015年7月17日配信)

戦時中の学校とグライダー(担当:村上)

現在、青森市民図書館歴史資料室では、館内展示「戦後70年企画 学校と戦争―動員された子どもたち」を行っています。この展示を行うにあたって、戦時中の学校についてさまざまなことを調べたのですが、その中で特に驚いたのが中等学校でグライダーによる滑空練習が行われていたということです。

昭和13年(1938)2月、文部次官から出された通牒(通達)によって中等学校におけるグライダー滑空練習が奨励されました。滑空練習には航空思想を養うことや飛行機操縦の適性を検査することなどが期待されていました。すなわち、将来の軍用機操縦士を養成するための教育が学校にも求められていたのです。

この頃、青森県では「航空熱」が盛んになり、中学校や実業学校に航空部(グライダー部)が設立されていきました。青森市内では青森県立商業学校(現青森商業高校)が最も早かったそうです(昭和12年設立、県内では5番目)。しかも、部活動だけでなく、グライダーを「准正科」とし、5年生全員に練習をさせるという計画も立てています。学校にグライダーが導入されてから、甲種飛行予科練習生(海軍の飛行機搭乗員養成制度)に志願する生徒が現れたといいます。

青森県立商業学校のグライダー
青森商業学校のグライダー(『校友会誌』第二十八号、歴史資料室蔵)

さて、今回の展示では「文部省式第一型準拠 組立式地上訓練用滑空機型録(カタログ)」という資料を紹介しています。この滑空機(グライダー)は実際に滑空するためのものではなく、地上で操縦や組み立て、分解などの練習をするためのもので、「航空兵力の飛躍的増強の源泉育成」に効果があるとされています。カタログに国民学校(昭和16年にそれまでの小学校を改称)の子どもたちが組み立てを行うようすの写真が掲載されていることから、学校で教材として使用することを想定したものと考えられます。

「文部省式第一型準拠組立式地上訓練用滑空機型録」
「文部省式第一型準拠 組立式地上訓練用滑空機型録」
(歴史資料室蔵)

本機の性能と特長
本機の性能と特長
(「文部省式第一型準拠 組立式地上訓練用滑空機型録」より)

「文部省式第一型」とは昭和15年に文部省が中等学校での滑空訓練用として形式を決定したグライダーの型のことです。つまり、カタログの組立式地上訓練用滑空機は中等学校で使われるグライダーの型に合わせ、国民学校の子どもたちでも扱えるように作られたものなのです。国民学校では模型飛行機の製作などによって子どもたちに航空に関する知識や技術を習得させており、そのような教育の一環で使われたものなのかもしれません。

このカタログからは学校で使われる教材にも戦時体制が反映されていたことがわかります。市民図書館8階に実物を展示しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。

※今回の内容は『青森県教育史』(1974年、青森県教育委員会)、大柳繁造『あおもり滑空機ものがたり』(2011年、青森県立三沢航空科学館)、『青商百年史』(2007年、青森県立青森商業高等学校)などを参考にしました。

問合せ

所属課室:青森市教育委員会事務局市民図書館 担当者名:歴史資料室

青森市新町一丁目3-7

電話番号:017-732-5271

ファックス番号:017-732-5272

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