ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 歴史 > メールマガジン「あおもり歴史トリビア」 > 「あおもり歴史トリビア」第138号(2014年12月19日配信)
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更新日:2016年1月8日
今年もあと10日余り、もうすぐお正月ですね。皆さまはどんな一年を過ごされましたでしょうか。
今から60年前のお正月、いわゆる「昭和の大合併」により、昭和30年(1955)1月1日に筒井・横内・東岳(あずまだけ)・高田が、そして同月15日には浜館・荒川が青森市と合併しました。また、同年3月1日には、新城・奥内・原別も合併し、この年、青森市域は大きく広がりました。
さて、この年に合併した上記9つの地域のうち、ひとつだけ「村」ではなく「町」だったところがあります。それはどこでしょうか?
答えは「筒井町」です。
筒井町は、明治22年(1889)に筒井村・浜田村・幸畑(こうばた)村・浦町村字奥野が合併して「筒井村」として成立しました。昭和初年にも青森市との合併話があったようですが、この時は決まりませんでした。
戦後、昭和27年4月に町制施行に関する議題が村議会で提案されました。その理由は、後述する『広報つつい』第2号によれば、第一に地方自治法改正の前に町制を施行し、その後に他村と合併し完全な自治の運営を図りたいこと、第二に戸数の激増で事業所や商店が増加、それによって住民の職業的形態も都市的に変化し、青森市に隣接するという地理的環境からも「町となるべき村の要件」に適合していることでした。これに対して、時期尚早であり村民の世論の喚起を待つべきとの反対意見も出ましたが、6月の村議会で施行が決定、8月の県議会の可決により、昭和27年8月31日、筒井町が誕生しました。
町制施行決定を伝える『広報つつい』第2号
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やがて、翌28年10月に町村合併促進法が施行され、筒井町も他市町村との合併を考える必要に直面しました。『広報つつい』第7号、第8号によれば、当初は青森市よりも、浜館村・横内村との合併を優先に検討されたようです。しかし合意には至らず、最終的に青森市との合併が決定し、筒井町は青森市大字筒井となりました。
このように、「東津軽郡筒井町」は、昭和27年8月31日から昭和29年12月31日までの2年4か月間だけ存在したのでした。
市史編さん室では、この短い期間に筒井町が発行した『広報つつい』を保管しています。これは、昭和27年6月から昭和29年12月までの間に出された創刊号から9号までと、号外「筒井町の生ひたち」を「編集人」氏が綴ったもので、町制施行・合併に関わる町の動向や新しい地方自治についての情報を、町の人々に丁寧に伝えようとした編集人の熱意が感じられます。また、筒井町内の歴史に関するコラムや町内の写真もあり、地域の方の「地元愛」も伝わってくる資料です。
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来年もまた、こういった青森市の軌跡を伝える資料について、皆さまにお届けできればと思います。どうぞお楽しみに!
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