ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 歴史 > メールマガジン「あおもり歴史トリビア」 > 「あおもり歴史トリビア」第22号(2012年8月31日配信)
ここから本文です。
更新日:2015年6月1日
残暑が続くものの、華やかな「ねぶた祭」が終わり、この時期は何となく心にぽっかり穴があいたような気分のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、青森市には「ねぶた祭」のほかにも「獅子踊り」という貴重な伝統行事があります。市内には高田・荒川・駒込・宮田・新城・油川・新町野・大別内の8組の獅子踊りの団体がありましたが、高齢化などにより現在活動しているのは、高田・荒川・駒込・宮田・新城・油川の6団体です。獅子踊りは五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願する行事で、「お可笑(かし)コ」という先導役のもと、3匹の獅子が踊り、地域の神社に奉納されます。
高田獅子踊(橋渡りの踊り)
荒川獅子舞(山かつぎ)
演目は「追い込み」「橋渡り」「山越え」「雌獅子争い」「お暇乞い」「地固め」などで、唄や笛・太鼓のお囃子にのって踊ります。その中のいくつかを紹介すると「橋渡り」は獅子たちが新天地を求めて未開地に渡る場面なのですが、橋を渡る足つきで未開地への不安と期待が細やかに表現されていて、見ごたえがあります。無事に新天地へ渡り、平安がおとずれると、1匹の雌獅子をめぐって、2匹の雄獅子が争いをはじめるという「雌獅子争い」の演目もあり、まるで人間世界を見ているようです。
駒込獅子踊(追い込みの踊)
新城獅子踊(橋かけ)
各団体はともに高齢化が進み、青年への継承が困難な状態が続いていますが、青年の代わりに小学生に継承しようとする動きが出てきています。そのようすを見学したことがありますが、指導するかたの情熱と上手になりたいという指導される側の意欲を目の当たりにし、とても心強いものを感じました。
宮田獅子舞(ムラマワリ)
油川獅子舞(追込の舞)
毎年旧暦8月14日(今年は9月29日)には獅子踊り大会が平川市の猿賀(さるか)神社であり、市内の獅子踊りの団体を含め県下の団体が参加し、踊りや舞の技を競います。そして最高賞を目指して、各団体の熱い戦いが繰り広げられます。一堂に会するさまざまな獅子踊りを見学できる唯一の機会ですので、ぜひ、ご覧ください。
また、市内の獅子踊りについては『新青森市史』別編民俗にも詳しく掲載されています。こちらも手に取っていただければ幸いです。
問合せ
より良いウェブサイトにするために皆さんのご意見をお聞かせください。
Copyright © Aomori City All Rights Resereved.