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更新日:2015年6月1日

「あおもり歴史トリビア」第37号(2012年12月21日配信)

青森県のさしこ着(担当:三上)

師走も半ばを過ぎ、とうとう冬将軍がやって来ました。

さて、明日から県立郷土館では企画展「さしこ―田中忠三郎着物コレクション」が開催されます。補強や補修のために布を糸で刺し綴る「さしこ」は日本各地で行われてきました。青森県のさしこ着は江戸時代後期から昭和初期まで、庶民の衣服を代表するものでした。

寒冷地のため綿花の栽培に適さない青森県では、長い間、麻布衣の生活を余儀なくされました。大麻や苧麻(からむし)から糸を績み、布を織り、家族の衣をまかなうのは全て女性の仕事でした。「さしこ」は厳しい冬の寒さを防ぐため、また擦り切れやすい麻布を修復したり補強するため藍染めの麻布に刺し綴られたものが、次第に独特な模様へと発展していきました。これが津軽地方のこぎん刺し、南部地方の菱刺しと呼ばれるものです。


東こぎん


西こぎん


三縞こぎん

津軽地方では、麻布を濃紺に染め、白木綿糸で刺し、豪快な幾何学的模様を展開させたこぎん刺し着物が作られました。南部地方では麻布を浅葱(あさぎ)色に染め、黒や白の木綿糸で刺し綴り、菱形の模様をつけた着物、たっつけ(股引)、前かけなどが作られました。津軽のこぎん刺しは麻布のたて糸を奇数で刺し綴るので、縦菱型ができますが、南部菱刺しは麻布のたて糸を偶数で拾うので横菱型になります。いずれにしても布目を拾って刺すのは、ほかの地方では見られない青森独特の刺しかただそうです。


菱刺し着物


つづれ刺し着物


菱刺し前だれ


たっつけ(股引)

さしこ着のひとつひとつは、手仕事の針と糸に精魂をこめ惜しみなく手間と時間をかけて作り上げられています。それらは緻密な模様のもつ魅力と人を優しく包みこむ温かさとを持っていて、観る人に新鮮な感動を与えてくれます。

「さしこ」は針と糸、布があればどこでも刺せるので人気が高く、バッグや財布など身近な工芸品として、さらにアート作品としてその技は現代にしっかりと受け継がれています。

郷土館に展示される資料の所有者である田中忠三郎氏は土器や石器に興味を持ち、下北アイヌの調査や縄文遺跡の発掘をしました。発掘した遺物の解明にはその生活背景を探ることが必要であると民俗学の分野に到達し、津軽、南部、下北地方の農家を訪ね、衣類、民具の収集活動を行いました。企画展で展示されるさしこ着は国指定重要有形民俗文化財に指定されています。田中氏は「青森が世界に誇れる素晴しい遺産であるさしこ着を通して、生きる知恵、雪国の人々の物に対する優しさを語り続けていきたい。」と話しています。この企画展は12月22日から明年1月27日まで開催されますので、ぜひ、足を運んでみてください。

問合せ

所属課室:青森市教育委員会事務局市民図書館 担当者名:歴史資料室

青森市新町一丁目3-7

電話番号:017-732-5271

ファックス番号:017-732-5272

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