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更新日:2015年6月1日

「あおもり歴史トリビア」第90号(2014年1月10日配信)

小正月の料理・けの汁(担当:鈴木)

みなさま、明けましておめでとうございます。本年も「あおもり歴史トリビア」をよろしくお願いいたします。

先日、日本の和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。和食と聞いて、どんな料理が思い浮かびますか。料亭で出されるような美しく盛られた料理、伝統的なおせち料理、寿司なども世界に誇れる和食ですが、日本各地に伝わる郷土料理も立派な和食ではないでしょうか。

最近は流通やマスメディアの発達で、食文化がどんどん均一化されてきていますが、お正月はやはり1年で一番地方色豊かな料理が作られる季節。今回はそのひとつ、「けの汁」を取り上げてみました。

けの汁
けの汁

けの汁は、最近、缶詰や郷土料理店などで観光客にも供され、また冬の普段の家庭料理になっていますが、もともとは家庭で小正月に食べる冬の行事食でした。小正月とは1月15日を中心とする前後の期間を指し、日本各地にいろいろな特色ある民俗行事が残っています。けの汁は津軽地方特有のものと思われていますが、古くは北海道や東北の他地域でも作られ、秋田では同じようなものを「きゃの汁」「きゃのっこ」といったそうです。この「け」「きゃ」は、「粥(かゆ)」が変化したものではといわれています。菅江真澄の著した「氷魚の村君(ひおのむらぎみ)」のなかには、文化7年(1810)正月に現在の秋田県五城目(ごじょうめ)町になる谷地中(やちなか)という地に滞在していた1月16日の様子について「きょうは、いなかずで、ただの白粥をつくる。また粥の汁という、いろいろなものをいれて煮たなかに、搨豆(うちまめ)というものをいれる。こうして、年の神に供える。」とあります。ほかにも古い記述などから、けの汁(粥の汁)は、もともと小正月に粥と一緒に供えられ、また食べられたもののようです。

小正月は「女正月」ともいい、日ごろ家の切り盛りで忙しい女性たちが、実家へ里帰りしたり、集まって語り合ったりとゆっくりできる機会でもありました。そこで、前日までに味噌や具材を準備し、それを細かく刻んでけの汁を大鍋にいっぱい作り、食べる分だけを小分けにして温め、小正月中は台所に立たずに過ごせるようにしたようです。

けの汁の材料は地域、家庭によって様々ですが、主に根菜類、保存食の山菜・筍、昆布、豆類などで、豆腐・油揚・ちくわ・こんにゃくなどは、昔は市街地以外では一般的なものではなかったといいますから、これは後に新しく加わったものなのでしょうか。味付けも味噌以外にしょうゆを使う家もあり、地域によっては水に浸した大豆を細かく擂(す)り潰した打豆(ズンダ・ズダ)を入れたりもします。具材の種類が多い分、家庭によって様々な作り方があるようです。

子和え
子和え

青森の正月の食卓には、ほかにもナマコ、子和え、ごぼうのでんぶなど、様々な伝統食が並びますね。和食のユネスコ無形文化遺産登録を機に、けの汁をはじめ青森の豊かな郷土料理や我が家の味に目を向けてみてはいかがでしょうか。

※『伝統料理 けの汁』木村守克著(1996年 路上社)を参考にしました。

問合せ

所属課室:青森市教育委員会事務局市民図書館 担当者名:歴史資料室

青森市新町一丁目3-7

電話番号:017-732-5271

ファックス番号:017-732-5272

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