ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 歴史 > メールマガジン「あおもり歴史トリビア」 > 「あおもり歴史トリビア」第112号(2014年6月20日配信)
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更新日:2015年7月1日
一雨ごとに草木の青が濃くなり、山が恋しい季節となりました。
今日は、梵珠山についてお話します。
津軽半島中央部を南北に連なる中山山脈の南端に位置する梵珠山は、標高468メートルで、青森市浪岡地区と五所川原市にまたがり、ニホンカモシカ、ニホンザル、アカショウビン、エゾイトトンボ、モリアオガエル、ミズナラ、トチノキ、ミズバショウ等多種多様な動植物が生息しています。
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梵珠山及び眺望山の一連地帯は、昭和43年(1968)青森県の明治100年記念事業の一環として、県を代表するブナ林とヒバ林を保護し、広く県民の保健休養施設として解放し、郷土に対し愛着を深めるため「青森県民の森」に設定されました。その後、登山道や観察路の整備や展望台、トイレ、あずまや、キャンプ場が設置されました。
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平成4年(1992)7月、県民の森梵珠山いきものふれあいの里整備事業による「県立自然ふれあいセンター」が開館され、梵珠山の登山拠点となり、四季を通じて自然観察会や動植物のパネル展示等、いろいろな催し物が行われ、自然のしくみの不思議さや巧みさを学べる専門員が常駐しています。
県立自然ふれあいセンター
梵珠山の登山道は、「サワグルミの道」、「マンガンの道」、「アカゲラの道」、「ミズバショウの道」の4つのコースに分かれています。これらのうち「マンガンの道」は、昔、マンガン鉱石を運び出した道で、ブナ林を登って行くと、「ブナ平」と記された道標があります。ここから、二手に分かれますが、すぐ先で合流します。まもなくヒバ林が見え、そこを過ぎると陸奥湾展望所があり、青森市街地と東岳や湾内を望むことができます。
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ブナ林
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さらに尾根沿いに進むと「越口(峠という意味のようです)」の道標があります。「越口」をまたさらに進むと左手にこんもりとした場所があり、「釈迦の墓」といわれています。ここを過ぎるとやがて8合目の寺屋敷北広場に出ます。広々とした場所であずまやがあり、いっそう進むと「サワグルミの道」と合流し、山頂にたどり着きます。
寺屋敷北広場
山頂には展望台があり、視界が開けて、青森市街地をはじめ八甲田、岩木山、遠くに白神山地、下北半島の山々を見渡せます。山頂の少し離れた所には、「梵珠七観音」が安置されています。
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また、梵珠山は古くからの霊場でもあり、毎年旧暦7月9日の深夜から未明にかけて不思議な火の玉が出るという御灯明伝説があります。昭和63年から浪岡観光協会で「火の玉探検」というイベントを毎年8月に行っており、今年は8月4日に開催します。「釈迦の墓」に高僧の霊が帰って来る時の後光とされる「火の玉」は、信心深い人以外には見えないそうで、深夜に梵珠山に登り、「釈迦の墓」近辺の8合目、寺屋敷北広場で息を潜めて「火の玉」の出現を待つのです。
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釈迦堂と避難小屋
このように梵珠山は、自然豊かで神秘的な山ですので、ぜひ一度足を運んでみてください。
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