○青森市移動等円滑化のために必要な道路の構造及び公園施設の設置に関する基準を定める条例
平成二十四年十二月二十五日
条例第八十四号
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 道路移動等円滑化基準
第一節 歩道等(第四条―第十一条)
第二節 立体横断施設(第十二条―第十七条)
第三節 乗合自動車停留所(第十八条・第十九条)
第四節 自動車駐車場(第二十条―第三十条)
第五節 移動等円滑化のために必要なその他の施設等(第三十一条―第三十五条)
第三章 都市公園移動等円滑化基準(第三十六条―第四十七条)
第四章 雑則(第四十八条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号。以下「法」という。)第十条第一項及び第十三条第一項の規定に基づき、高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準(以下「道路移動等円滑化基準」という。)及び特定公園施設の設置に関する基準(以下「都市公園移動等円滑化基準」という。)を定めるものとする。
(定義)
第二条 この条例において使用する用語の意義は、法、移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める省令(平成十八年国土交通省令第百十六号)及び移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める省令(平成十八年国土交通省令第百十五号)において使用する用語の例による。
第二章 道路移動等円滑化基準
第一節 歩道等
(歩道)
第四条 市道のうち特定道路(自転車歩行者道を設ける道路を除く。)には、歩道を設けるものとする。
(有効幅員)
第五条 前条の歩道の有効幅員は、青森市市道の構造基準等を定める条例(平成二十四年青森市条例第八十三号)第十一条第三項に規定する幅員の値以上とするものとする。
2 自転車歩行車道の有効幅員は、青森市市道の構造基準等を定める条例第十条第二項に規定する幅員の値以上とするものとする。
3 歩道又は自転車歩行車道(以下「歩道等」という。)の有効幅員は、本市における積雪の度及び除排雪の状況並びに当該歩道等の高齢者、障害者等の交通の状況を勘案して定めるものとする。
(舗装)
第六条 歩道等の舗装は、本市における積雪の度及び除排雪の状況を勘案して積雪時等における当該歩道等の破損の防止について適切に配慮され、及びその除排雪に支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 歩道等の舗装は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げとするものとする。
(勾配)
第七条 歩道等の縦断勾配は、五パーセント以下とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別な理由によりやむを得ない場合においては、八パーセント以下とすることができる。
2 歩道等(車両乗入れ部を除く。)の横断勾配は、一パーセント以下とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別な理由によりやむを得ない場合においては、二パーセント以下とすることができる。
(歩道等と車道等の分離)
第八条 歩道等には、車道若しくは車道に接続する路肩がある場合の当該路肩(以下「車道等」という。)又は自転車道に接続して縁石線を設けるものとする。
2 歩道等(車両乗入れ部及び横断歩道に接続する部分を除く。)に設ける縁石の車道等に対する高さは十五センチメートル以上とし、当該歩道等の構造及び交通の状況並びに沿道の土地利用の状況等を考慮して定めるものとする。
3 歩行者の安全かつ円滑な通行を確保するため必要がある場合においては、歩道等と車道等の間に植樹帯を設け、又は歩道等の車道等側に並木若しくは柵を設けるものとする。
(高さ)
第九条 歩道等(縁石を除く。)の車道等に対する高さは、五センチメートルを標準とするものとする。ただし、横断歩道に接続する歩道等の部分にあっては、この限りでない。
2 前項の高さは、乗合自動車停留所及び車両乗入れ部の設置の状況等を考慮して定めるものとする。
(横断歩道に接続する歩道等の部分)
第十条 横断歩道に接続する歩道等の部分の縁端は、車道等の部分より高くするものとし、その段差は二センチメートルを標準とするものとする。
2 前項の段差に接続する歩道等の部分は、車椅子を使用している者(以下「車椅子使用者」という。)が円滑に転回できる構造とするものとする。
第二節 立体横断施設
(立体横断施設)
第十二条 市道のうち特定道路には、高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、高齢者、障害者等の円滑な移動に適した構造を有する立体横断施設(以下「移動等円滑化された立体横断施設」という。)を設けるものとする。
2 移動等円滑化された立体横断施設には、エレベーターを設けるものとする。ただし、昇降の高さが低い場合その他の特別な理由によりやむを得ない場合においては、エレベーターに代えて、傾斜路を設けることができる。
3 前項に規定するもののほか、移動等円滑化された立体横断施設には、高齢者、障害者等の交通の状況により必要がある場合においては、エスカレーターを設けるものとする。
(エレベーター)
第十三条 移動等円滑化された立体横断施設に設けるエレベーターは、次に定める構造とするものとする。
一 かごの内法幅は一・五メートル以上、内法奥行きは一・五メートル以上であること。
二 前号の規定にかかわらず、かごの出入口が複数あるエレベーターであって、車椅子使用者が円滑に乗降できる構造のもの(開閉するかごの出入口を音声により知らせる装置が設けられているものに限る。)にあっては、内法幅は一・四メートル以上、内法奥行きは一・三五メートル以上であること。
四 第二号の規定による基準に適合するエレベーターを除き、かご内に、車椅子使用者が乗降する際にかご及び昇降路の出入口を確認するための鏡が設けられていること。
五 かご及び昇降路の出入口の戸にガラスその他これに類するものがはめ込まれていることにより、かご外からかご内が視覚的に確認できる構造であること。
六 かご内に手すりが設けられていること。
七 かご及び昇降路の出入口の戸の開扉時間を延長する機能が設けられていること。
八 かご内に、かごが停止する予定の階及びかごの現在位置を表示する装置が設けられていること。
九 かご内に、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる装置が設けられていること。
十 かご内及び乗降口には、車椅子使用者が円滑に操作できる位置に操作盤が設けられていること。
十一 かご内に設ける操作盤及び乗降口に設ける操作盤のうち視覚障害者が利用する操作盤は、点字を貼り付けること等により視覚障害者が容易に操作できる構造であること。
十二 乗降口に接続する歩道等又は通路の部分の有効幅は一・五メートル以上、有効奥行きは一・五メートル以上であること。
十三 停止する階が三以上であるエレベーターの乗降口には、かご内にかご及び昇降路の出入口の戸が開いた時にかごの昇降方向を音声により知らせる装置が設けられている場合を除き、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる装置が設けられていること。
(傾斜路)
第十四条 移動等円滑化された立体横断施設に設ける傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、二メートル以上であること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、一メートル以上とすることができるものであること。
二 縦断勾配は、五パーセント以下であること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、八パーセント以下とすることができるものであること。
三 横断勾配が設けられていないこと。
四 二段式の手すりが両側に設けられていること。
五 手すり端部の付近には、傾斜路の通ずる場所を示す点字が貼り付けられていること。
六 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げであること。
七 傾斜路の勾配部分は、その接続する歩道等又は通路の部分との色の輝度比が大きいこと等により当該勾配部分を容易に識別できるものであること。
八 傾斜路の両側には、側面が壁面である場合を除き、立ち上がり部及び柵その他これに類する工作物が設けられていること。
九 傾斜路の下面と歩道等の路面との間が二・五メートル以下の歩道等の部分への進入を防ぐため必要がある場合においては、柵その他これに類する工作物が設けられていること。
十 高さが七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏み幅一・五メートル以上の踊場が設けられていること。
(エスカレーター)
第十五条 移動等円滑化された立体横断施設に設けるエスカレーターは、次に定める構造とするものとする。
一 上り専用のものと下り専用のものがそれぞれ設置されていること。
二 踏み段の表面及びくし板は、滑りにくい仕上げであること。
三 昇降口において、三枚以上の踏み段が同一平面上にある構造であること。
四 踏み段の端部とその周囲の部分との色の輝度比が大きいこと等により踏み段相互の境界を容易に識別できるものであること。
五 くし板の端部と踏み段の色の輝度比が大きいこと等により、くし板と踏み段との境界を容易に識別できるものであること。
六 エスカレーターの上端及び下端に近接する歩道等及び通路の路面において、エスカレーターへの進入の可否が示されていること。
七 踏み段の有効幅は、一メートル以上であること。ただし、歩行者の交通量が少ない場合においては、六十センチメートル以上とすることができるものであること。
(通路)
第十六条 移動等円滑化された立体横断施設に設ける通路は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、二メートル以上であることとし、当該通路の高齢者、障害者等の通行の状況を考慮して定められるものであること。
二 構造上の理由によりやむを得ない場合又は路面の排水のために必要な場合を除き、縦断勾配及び横断勾配が設けられていないこと。
三 二段式の手すりが両側に設けられていること。
四 手すりの端部の付近には、通路の通ずる場所を示す点字が貼り付けられていること。
五 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げであること。
六 通路の両側には、側面が壁面である場合を除き、立ち上がり部及び柵その他これに類する工作物が設けられていること。
(階段)
第十七条 移動等円滑化された立体横断施設に設ける階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、一・五メートル以上であること。
二 二段式の手すりが両側に設けられていること。
三 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字が貼り付けられていること。
四 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合を除き、回り段とされていないこと。
五 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げであること。
六 路面の端部とその周囲の部分との色の輝度比が大きいこと等により段を容易に識別できるものであること。
七 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造であること。
八 階段の両側には、側面が壁面である場合を除き、立ち上がり部及び柵その他これに類する工作物が設けられていること。
九 階段の下面と歩道等の路面との間が二・五メートル以下の歩道等の部分への進入を防ぐため必要がある場合においては、柵その他これに類する工作物が設けられていること。
十 階段の高さが三メートルを超える場合においては、その途中に踊場が設けられていること。
十一 踊場の踏み幅は、直階段の場合にあっては一・二メートル以上、その他の場合にあっては当該階段の幅員の値以上であること。
第三節 乗合自動車停留所
(高さ)
第十八条 乗合自動車停留所を設ける歩道等の部分の車道等に対する高さは、十五センチメートルを標準とするものとする。
(ベンチ及び上屋)
第十九条 乗合自動車停留所には、ベンチ及びその上屋を設けるものとする。ただし、それらの機能を代替する施設が既に存する場合又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
第四節 自動車駐車場
(障害者用駐車施設)
第二十条 自動車駐車場には、障害者が円滑に利用できる駐車の用に供する部分(以下「障害者用駐車施設」という。)を設けるものとする。
2 障害者用駐車施設の数は、自動車駐車場の全駐車台数が二百以下の場合にあっては当該駐車台数に五十分の一を乗じて得た数以上とし、全駐車台数が二百を超える場合にあっては当該駐車台数に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上とするものとする。
3 障害者用駐車施設は、次に定める構造とするものとする。
一 当該障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口からの距離ができるだけ短くなる位置に設けられていること。
二 有効幅は、三・五メートル以上であること。
三 障害者用である旨が見やすい方法により表示されていること。
(障害者用停車施設)
第二十一条 自動車駐車場の自動車の出入口又は障害者用駐車施設を設ける階には、障害者が円滑に利用できる停車の用に供する部分(以下「障害者用停車施設」という。)を設けるものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
2 障害者用停車施設は、次に定める構造とするものとする。
一 当該障害者用停車施設へ通ずる歩行者の出入口からの距離ができるだけ短くなる位置に設けられていること。
二 車両への乗降の用に供する部分の有効幅は一・五メートル以上、有効奥行きは一・五メートル以上である等、障害者が安全かつ円滑に乗降できる構造であること。
三 障害者用である旨が見やすい方法により表示されていること。
(出入口)
第二十二条 自動車駐車場の歩行者の出入口は、次に定める構造とするものとする。ただし、当該出入口に近接した位置に設けられる歩行者の出入口については、この限りでない。
一 有効幅は、九十センチメートル以上(当該自動車駐車場外へ通ずる歩行者の出入口のうち一以上の出入口の有効幅は、一・二メートル以上)であること。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、有効幅を一・二メートル以上とする当該自動車駐車場外へ通ずる歩行者の出入口のうち、一以上の出入口にあっては自動的に開閉する構造であるものとし、その他の出入口にあっては車椅子使用者が円滑に開閉して通過できる構造であること。
三 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差が設けられていないこと。
(通路)
第二十三条 障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口から当該障害者用駐車施設に至る通路のうち一以上の通路は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、二メートル以上であること。
二 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差が設けられていないこと。
三 路面は、平たんで、かつ、滑りにくい仕上げであること。
(エレベーター)
第二十四条 自動車駐車場外へ通ずる歩行者の出入口がない階(障害者用駐車施設が設けられている階に限る。)を有する自動車駐車場には、当該階に停止するエレベーターを設けるものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合においては、エレベーターに代えて、傾斜路を設けることができる。
(階段)
第二十六条 第十七条の規定は、自動車駐車場外へ通ずる歩行者の出入口がない階に通ずる階段の構造について準用する。
(屋根)
第二十七条 屋外に設けられる自動車駐車場の障害者用駐車施設、障害者用停車施設及び第二十三条に規定する通路には、屋根を設けるものとする。
(便所)
第二十八条 障害者用駐車施設を設ける階に便所を設ける場合は、当該便所は、次に定める構造とするものとする。
一 便所の出入口付近に、男子用及び女子用の区別(当該区別がある場合に限る。)並びに便所の構造を視覚障害者に示すための点字による案内板その他の設備が設けられていること。
二 床の表面は、滑りにくい仕上げであること。
三 男子用小便器を設ける場合においては、一以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが三十五センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器が設けられていること。
四 前号の規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。
2 障害者用駐車施設を設ける階に便所を設ける場合は、そのうち一以上の便所は、次の各号に掲げる基準のいずれかに適合するものとする。
一 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
二 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第二十九条 前条第二項第一号の便房を設ける便所は、次に定める構造とするものとする。
二 出入口の有効幅は、八十センチメートル以上であること。
三 出入口には、傾斜路を設ける場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段が設けられていないこと。
四 出入口には、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する案内標識が設けられていること。
五 出入口に戸を設ける場合においては、当該戸は、次に定める構造であること。
イ 有効幅は、八十センチメートル以上であること。
ロ 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造であること。
六 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
2 前条第二項第一号の便房は、次に定める構造とするものとする。
一 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段が設けられていないこと。
二 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有するものであることを表示する案内標識が設けられていること。
三 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
四 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
第五節 移動等円滑化のために必要なその他の施設等
(案内標識)
第三十一条 交差点、駅前広場その他の移動の方向を示す必要がある箇所には、高齢者、障害者等が見やすい位置に、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用すると認められる官公庁施設、福祉施設その他の施設及びエレベーターその他の移動等円滑化のために必要な施設の案内標識を設けるものとする。
2 前項の案内標識には、点字、音声その他の方法により視覚障害者を案内する設備を設けるものとする。
(視覚障害者誘導用ブロック)
第三十二条 歩道等、立体横断施設の通路、乗合自動車停留所及び自動車駐車場の通路には、視覚障害者の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、視覚障害者誘導用ブロックを敷設するものとする。
2 視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色その他の周囲の路面との輝度比が大きいこと等により当該ブロック部分を容易に識別できる色とするものとする。
3 視覚障害者誘導用ブロックには、視覚障害者の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、音声により視覚障害者を案内する設備を設けるものとする。
(休憩施設)
第三十三条 歩道等には、適当な間隔でベンチ及びその上屋を設けるものとする。ただし、これらの機能を代替するための施設が既に存する場合その他の特別な理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。
(照明施設)
第三十四条 歩道等及び立体横断施設には、照明施設を連続して設けるものとする。ただし、夜間における当該歩道等及び立体横断施設の路面の照度が十分に確保される場合においては、この限りでない。
2 乗合自動車停留所及び自動車駐車場には、高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、照明施設を設けるものとする。ただし、夜間における当該乗合自動車停留所及び自動車駐車場の路面の照度が十分に確保される場合においては、この限りでない。
(防雪施設)
第三十五条 歩道等及び立体横断施設において、積雪又は凍結により、高齢者、障害者等の安全かつ円滑な通行に著しく支障を及ぼすおそれのある箇所には、融雪施設、流雪溝又は雪覆工を設けるものとする。
第三章 都市公園移動等円滑化基準
(園路及び広場)
第三十六条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する園路及び広場(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成十八年政令第三百七十九号)第三条第一号に規定する園路及び広場をいう。以下同じ。)を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、九十センチメートル以上とすることができるものであること。
ロ 車止めを設ける場合は、当該車止めの相互間の間隔のうち一以上は、九十センチメートル以上であること。
ハ 出入口からの水平距離が、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合を除き、百五十センチメートル以上の水平面を確保されたものであること。
ニ ホに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ホ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)が併設されていること。
二 通路は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百八十センチメートル以上であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものであり、かつ、五十メートル以内ごとに車椅子が転回することができる広さの場所が設けられた上で、幅を百二十センチメートル以上とすることができるものであること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路が併設されていること。
ニ 縦断勾配は、五パーセント以下であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができるものであること。
ホ 横断勾配は、一パーセント以下であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、二パーセント以下とすることができるものであること。
ヘ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合を除き、手すりが両側に設けられていること。
ロ 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字が貼り付けられていること。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合を除き、回り段とされていないこと。
ニ 踏面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ホ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものが設けられていない構造のものであること。
ヘ 階段の両側には、側面が壁面である場合を除き、立ち上がり部が設けられていること。
四 階段を設ける場合は、傾斜路が併設されていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由により傾斜路を設けることが困難である場合は、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものをもってこれに代えることができるものであること。
五 傾斜路(階段又は段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、階段又は段に併設する場合は、九十センチメートル以上とすることができるものであること。
ロ 縦断勾配は、八パーセント以下であること。
ハ 横断勾配が設けられていないこと。
ニ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ホ 高さが七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏幅百五十センチメートル以上の踊場が設けられていること。
ヘ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合を除き、手すりが両側に設けられていること。
ト 傾斜路の両側には、側面が壁面である場合を除き、立ち上がり部が設けられていること。
六 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
(屋根付広場)
第三十七条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができるものであること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路が併設されていること。
二 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(休憩所及び管理事務所)
第三十八条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができるものであること。
ロ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路が併設されていること。
ハ ロに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ニ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 幅は、八十センチメートル以上であること。
(2) 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
二 カウンターを設ける場合は、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応できる構造である場合を除き、そのうち一以上は、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造のものであること。
三 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(野外劇場及び野外音楽堂)
第三十九条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場又は野外音楽堂は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、第三十六条第一項第一号の基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとした上で、幅を八十センチメートル以上とすることができるものであること。
ロ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路が併設されていること。
ハ ロに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ニ 縦断勾配は、五パーセント以下であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができるものであること。
ホ 横断勾配は、一パーセント以下であること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、二パーセント以下とすることができるものであること。
ヘ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ト 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
三 当該野外劇場の収容定員が二百以下の場合は当該収容定員に五十分の一を乗じて得た数以上、収容定員が二百を超える場合は当該収容定員に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる観覧スペース(以下「車椅子使用者用観覧スペース」という。)が設けられていること。
2 車椅子使用者用観覧スペースは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 幅は九十センチメートル以上、奥行きは百二十センチメートル以上であること。
二 車椅子使用者が利用する際に支障となる段がないこと。
三 車椅子使用者が転落するおそれのある場所には、柵その他の車椅子使用者の転落を防止するための設備が設けられていること。
(駐車場)
第四十条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合は、そのうち一以上に、当該駐車場の全駐車台数が二百以下の場合は当該駐車台数に五十分の一を乗じて得た数以上、全駐車台数が二百を超える場合は当該駐車台数に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車椅子使用者用駐車施設」という。)を設けなければならない。ただし、専ら大型自動二輪車及び普通自動二輪車(いずれも側車付きのものを除く。)の駐車のための駐車場については、この限りでない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 幅は、三百五十センチメートル以上であること。
二 車椅子使用者用駐車施設又はその付近に、車椅子使用者用駐車施設の表示がなされること。
(便所)
第四十一条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
二 男子用小便器を設ける場合は、一以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが三十五センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器が設けられていること。
三 前号の規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち一以上は、前項に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものでなければならない。
一 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
二 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第四十二条 前条第二項第一号の便房を設ける便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、八十センチメートル以上であること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路が併設されていること。
ニ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識が設けられていること。
ホ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 幅は、八十センチメートル以上であること。
(2) 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
二 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
2 前条第二項第一号の便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
二 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであることを表示する標識が設けられていること。
三 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
四 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
(水飲場及び手洗場)
第四十四条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する水飲場又は手洗場を設ける場合は、そのうち一以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。
(掲示板及び標識)
第四十五条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する掲示板又は標識は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
二 当該掲示板に表示された内容が容易に識別できるものであること。
(一時使用目的の特定公園施設)
第四十七条 災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この条例の規定によらないことができる。
第四章 雑則
附則
(施行期日)
この条例は、平成二十五年四月一日から施行する。