○青森市救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準を定める条例
平成二十四年十二月二十五日
条例第八十一号
目次
第一章 総則(第一条―第十一条)
第二章 救護施設(第十二条―第二十一条)
第三章 更生施設(第二十二条―第二十七条)
第四章 授産施設(第二十八条―第三十三条)
第五章 宿所提供施設(第三十四条―第三十九条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この条例は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号。以下「法」という。)第三十九条第一項の規定に基づき、救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設(以下「救護施設等」という。)の設備及び運営に関する基準を定めるものとする。
(基本方針)
第二条 救護施設等の設置者は、利用者又は入所者に対し、健全な環境の下で、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇を行うよう努めなければならない。
(構造設備の一般原則)
第三条 救護施設等の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等利用者又は入所者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
(設備の専用)
第四条 救護施設等の設備は、専ら当該施設の用に供するものでなければならない。ただし、利用者又は入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。
(暴力団員の排除)
第五条 救護施設等の設置者及び職員は、青森市暴力団排除条例(平成二十三年青森市条例第三十三号)第二条第二号に規定する暴力団員又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係にある者であってはならない。
(職員の資質向上等)
第六条 救護施設等の職員は、常に自己研鑽に励み、法に定める当該施設の目的を達成するために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。
2 救護施設等の設置者は、当該施設の職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
(職員の専従)
第七条 救護施設等の職員は、専ら当該施設の職務に従事することができる者をもって充てなければならない。ただし、利用者又は入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。
(苦情への対応等)
第八条 救護施設等の設置者は、その行った処遇に関する利用者又は入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 救護施設等の設置者は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 救護施設等の設置者は、法第十九条第四項に規定する保護の実施機関から第一項の措置又はその行った処遇に係る指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言の内容を勘案して、必要な改善を行うよう努めなければならない。
4 救護施設等の設置者は、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第八十三条に規定する運営適正化委員会が行う同法第八十五条第一項の規定による調査に協力するよう努めなければならない。
(非常災害対策)
第九条 救護施設等の設置者は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を策定し、並びに非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、これらについて定期的に職員に周知しなければならない。
2 救護施設等の設置者は、定期的に避難訓練、救出訓練その他必要な訓練を行わなければならない。
(帳簿書類の整備)
第十条 救護施設等の設置者は、設備、職員、会計及び利用者又は入所者の処遇の状況に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(秘密保持等)
第十一条 救護施設等の職員は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。当該職員でなくなった後においても同様とする。
2 救護施設等の設置者は、職員又は職員であった者が、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
第二章 救護施設
(規模)
第十二条 救護施設の規模は、三十人以上(当該施設と一体的に管理運営を行う、日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行うことを目的とする入所者が二十人以下の施設(以下この章において「サテライト型施設」という。)を設置する場合は、五人以上)の人員を入所させることができるものでなければならない。
2 救護施設における入所者の総数のうちに占める被保護者の割合は、おおむね百分の八十以上でなければならない。
一 スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮された構造であること。
二 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制の整備により、円滑な消火活動が可能なものであること。
三 避難口の増設、搬送を容易に行うための幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難を可能とする構造であって、かつ、避難訓練の実施、配置人員の増員等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。
一 居室
二 静養室
三 食堂
四 集会室
五 浴室
六 洗面所
七 便所
八 医務室
九 調理室
十 事務室
十一 宿直室
十二 介護職員室
十三 面接室
十四 洗濯室又は洗濯場
十五 汚物処理室
十六 霊安室
3 前項第一号に掲げる居室については、一般居室のほか、必要に応じ、常時の介護を必要とする者を入所させる居室(以下「特別居室」という。)を設けるものとする。
4 第二項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
一 居室
イ 地階に設けられていないこと。
ロ 入所者一人当たりの床面積は、収納設備等を除き、三・三平方メートル以上であること。
ハ 一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けられていること。
ニ 入所者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備が設けられていること。
ホ 特別居室は、原則として一階に設けられ、寝台又はこれに代わる設備が備えられていること。
二 静養室
イ 医務室又は介護職員室に近接して設けられていること。
ロ 原則として一階に設けられ、寝台又はこれに代わる設備が備えられていること。
三 洗面所 居室のある各階に設けられていること。
四 便所 居室のある各階に男子用と女子用が別に設けられていること。
五 医務室 入所者を診療するために必要な医薬品、衛生材料及び医療機械器具が備えられているとともに、必要に応じて臨床検査設備が設けられていること。
六 調理室 火気を使用する部分は、不燃材料が用いられていること。
七 介護職員室 居室のある各階に居室に近接して設けられていること。
5 前各項に規定するもののほか、救護施設の設備の基準は、次に定めるところによる。
一 廊下の幅は、一・三五メートル以上(中廊下にあっては、一・八メートル以上)であること。
二 廊下、便所その他必要な場所に常夜灯が設けられていること。
三 階段の傾斜は、緩やかであること。
(サテライト型施設の設備の基準)
第十四条 サテライト型施設の設備の基準については、前条の規定を準用する。
(職員の配置等の基準)
第十五条 救護施設には、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する救護施設にあっては、第七号の調理員を置かないことができる。
一 施設長
二 医師
三 生活指導員
四 介護職員
五 看護師又は准看護師
六 栄養士
七 調理員
3 第一項第一号の施設長は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に二年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
4 第一項第三号の生活指導員は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
(居室の入所人員)
第十六条 一の居室に入所させる人員は、原則として四人以下とする。
(給食)
第十七条 救護施設の設置者は、給食について、あらかじめ作成された献立に従って行うこととし、その献立は栄養並びに入所者の身体的状況及び嗜好を考慮しなければならない。
(健康管理)
第十八条 入所者については、その入所時の健康診断及び一年につき二回以上の健康診断を行わなければならない。
(衛生管理等)
第十九条 救護施設の設置者は、入所者の使用する食器その他の設備及び飲用に供する水について、衛生的な管理に努めるとともに、衛生上必要な措置を講じ、かつ、医薬品、衛生材料及び医療機械器具の管理を適正に行わなければならない。
2 救護施設の設置者は、当該救護施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないよう必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(生活指導等)
第二十条 救護施設の設置者は、入所者に対し、生活の向上及び更生のための指導を受ける機会を与えなければならない。
2 救護施設の設置者は、入所者に対し、その精神的及び身体的条件に応じ、機能を回復し、又は機能の減退を防止するための訓練又は作業に参加する機会を与えなければならない。
3 救護施設の設置者は、必要に応じ、入所者の日常生活に充てられる場所に、採暖のための措置を講じなければならない。
4 救護施設の設置者は、一週間に二回以上、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。
5 救護施設の設置者は、教養娯楽設備等を備えるほか、適宜レクリエーション行事を行わなければならない。
(給付金として支払を受けた金銭の管理)
第二十一条 救護施設の設置者は、入所者に係る国が定める給付金(以下この条において「給付金」という。)の支給を受けたときは、給付金として支払を受けた金銭を次に掲げるところにより管理しなければならない。
一 当該入所者に係る当該金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「入所者に係る金銭」という。)をその他の財産と区分すること。
二 入所者に係る金銭を給付金の支給の趣旨に従って用いること。
三 入所者に係る金銭の収支の状況を明らかにする帳簿を作成すること。
四 当該入所者が退所した場合には、速やかに、入所者に係る金銭を当該入所者に取得させること。
第三章 更生施設
(規模)
第二十二条 更生施設の規模は、三十人以上の人員を入所させることができるものでなければならない。
2 更生施設における入所者の総数のうちに占める被保護者の割合は、おおむね百分の八十以上でなければならない。
一 居室
二 静養室
三 集会室
四 食堂
五 浴室
六 洗面所
七 便所
八 医務室
九 作業室又は作業場
十 調理室
十一 事務室
十二 宿直室
十三 面接室
十四 洗濯室又は洗濯場
2 前項第九号に掲げる作業室又は作業場には、作業に従事する者の安全を確保するための設備を設けなければならない。
(職員の配置等の基準)
第二十四条 更生施設には、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する更生施設にあっては、第七号の調理員を置かないことができる。
一 施設長
二 医師
三 生活指導員
四 作業指導員
五 看護師又は准看護師
六 栄養士
七 調理員
(生活指導等)
第二十五条 更生施設の設置者は、入所者の勤労意欲を助長するとともに、入所者が退所後に健全な社会生活を営むことができるよう入所者各人の精神及び身体の条件に適合する更生計画を作成し、これに基づく指導をしなければならない。
(作業指導)
第二十六条 更生施設の設置者は、入所者に対し、前条第一項の更生計画に従って、当該入所者が退所後に自立するのに必要な程度の技能を修得させなければならない。
2 作業指導の種目を決定するに当たっては、地域の実情及び入所者の職歴を考慮しなければならない。
第四章 授産施設
(規模)
第二十八条 授産施設の規模は、二十人以上の人員を利用させることができるものでなければならない。
2 授産施設における利用者の総数のうちに占める被保護者の割合は、おおむね百分の五十以上でなければならない。
(設備の基準)
第二十九条 授産施設には、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営が見込まれる場合であって、かつ、利用者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
一 作業室
二 作業設備
三 食堂
四 洗面所
五 便所
六 事務室
2 第一項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
一 作業室
イ 必要に応じて危害防止設備が設けられ、又は保護具が備えられていること。
ロ 一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けられていること。
二 便所 男子用と女子用が別に設けられていること。
(職員の配置等の基準)
第三十条 授産施設には、次に掲げる職員を置かなければならない。
一 施設長
二 作業指導員
(工賃の支払)
第三十一条 授産施設の設置者は、利用者に対し、事業収入の額から、事業に必要な経費の額を控除した額に相当する額の工賃を支払わなければならない。
(自立指導)
第三十二条 授産施設の設置者は、利用者に対し、作業を通じて自立のために必要な指導を行わなければならない。
第五章 宿所提供施設
(規模)
第三十四条 宿所提供施設の規模は、三十人以上の人員を利用させることができるものでなければならない。
2 宿所提供施設における利用者の総数のうちに占める被保護者の割合は、おおむね百分の五十以上でなければならない。
一 居室
二 炊事設備
三 便所
四 面接室
五 事務室
2 前項第二号に掲げる炊事設備のうち火気を使用する部分は、不燃材料を用いなければならない。
3 宿所提供施設の設備の基準については、前二項に規定するもののほか、第十三条第四項第一号(ホを除く。)並びに同条第五項第一号及び第二号の規定を準用する。
(職員の配置等の基準)
第三十六条 宿所提供施設には、施設長を置かなければならない。
(居室の利用世帯)
第三十七条 一の居室は、やむを得ない理由がある場合を除き、二以上の世帯に利用させてはならない。
(生活相談)
第三十八条 宿所提供施設の設置者は、生活の相談に応ずる等利用者の生活の向上を図ることに努めなければならない。
附則
(施行期日)
この条例は、平成二十五年四月一日から施行する。