○青森市中小企業振興基本条例
平成二十四年六月二十七日
条例第六十三号
本市内に立地する企業は、中小企業が多数を占めており、それぞれの業種及び職種において市内経済を根幹から支え、地域のまちづくりや雇用、災害時の助け合いなど、地域社会に貢献するとともに、本市の発展に大きく寄与してきた。地域経済の活性化が企業の利益や所得の増加を生み出すことにより、本市の租税収入の増加をもたらし、市民への多様な施策が実施できるという好循環を生み出してきた。
しかし、近年の国境を越えたグローバル経済の進展とそれに伴う競争の激化、社会構造を変える急速な少子高齢化の進行など、経済を取り巻く環境は極めて厳しい状態に置かれ、中小企業の活力の低下が懸念される。
このような状況の下、自主自立の青森市を作り育て、本市経済の持続可能な発展のためには、中小企業の意欲的で創造的な活動を支援することが不可欠である。この基本的な考え方を推進するための基本方針等を明らかにし、本市経済の中核をなす中小企業が生き生きと躍動する青森市を築くため、この条例を制定する。
(目的)
第一条 この条例は、本市経済における中小企業の役割の重要性に鑑み、中小企業の振興について基本理念を定め、及び市の責務等を明らかにするとともに、中小企業の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって本市経済の健全な発展並びに本市における雇用の場の創出及び市民生活の安定向上に寄与することを目的とする。
(中小企業者の範囲)
第二条 この条例において「中小企業者」とは、中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項各号に掲げる者であって、本市に事務所又は事業所を有するものをいう。
(基本理念)
第三条 中小企業の振興は、中小企業者の自主的な努力と創意工夫を尊重して推進されなければならない。
2 中小企業の振興は、豊富な人材、多様な技術、豊かな自然その他の市内各地域が有する資源の持続的な活用を図ることにより推進することに努めるものとする。
(市の責務)
第四条 市は、この条例の基本理念にのっとり、中小企業の振興に関する施策を総合的に実施しなければならない。
2 市は、中小企業の振興に関する施策を実施するに当たっては、国、関係地方公共団体、中小企業者、中小企業に関する団体及び市民と協力し、効果的に実施するよう努めるものとする。
3 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適切な執行並びに透明かつ公正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、中小企業者で本市に本店又は主たる事務所を有するもの(以下「市内中小企業者」という。)の受注の機会の増大に努めるものとする。
(平成二八条例二九・一部改正)
(中小企業者の努力)
第五条 中小企業者は、経営の革新(中小企業基本法第二条第二項に規定する経営の革新をいう。以下同じ。)、経営基盤の強化及び経済的社会的環境の変化への即応のために、自主的に取り組むよう努めなければならない。
2 中小企業者は、市が実施する中小企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。
3 中小企業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、緊急災害への対応をはじめとして暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。
(市民の理解及び協力)
第六条 市民は、中小企業の振興が市民生活の安定向上において果たす役割の重要性を理解し、中小企業の健全な発展に協力するよう努めるものとする。
(施策の基本方針)
第七条 市は、中小企業の振興に関する施策の実施に当たっては、この条例の基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として行わなければならない。
一 中小企業者の経営の革新及び経営基盤の強化を促進するための施策を推進すること。
二 市が行う工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、透明かつ公正な競争及び契約の適正な履行の確保に留意しつつ、発注、調達等の対象を適切に分離し、又は分割すること等により、市内中小企業者の受注機会の増大に努めること。
三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者の選定に当たっては、予算の適正な執行並びに透明かつ公正な選定手続及び当該公の施設の効果的な管理の確保に留意しつつ、市内中小企業者の参入機会の増大に努めること。
四 中小企業者の経営の革新等のための自主的な取組、市の施策への協力、地域社会への貢献の状況等を適切に評価し、積極的な活用に努めること。
五 中小企業の振興に関する市民の理解を深め、協力を促進するための施策を推進すること。
六 前各号に掲げる事項を基本とする施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずること。
(平成二八条例二九・一部改正)
(議会への報告)
第八条 市長は、毎年度、中小企業の振興に関する施策の実施状況を議会に報告しなければならない。
(委任)
第九条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 第八条の規定は、平成二十四年度分の中小企業の振興に関する施策の実施状況に係る議会への報告から適用する。
附則(平成二八年六月条例第二九号)
(施行期日)
この条例は、公布の日から施行する。