なみおか今・昔116

町史かわら版(23)

−浪岡町史編さん事業−
〜監修を終えて〜

監修者 村越潔
監修者 村越潔

 『浪岡町史』全6巻は、平成6年の編さん事業開始から11年を経て完成し、町民の皆様に供することができ、この事業に関与した方々と共に、肩の荷を降し喜びに浸っている。
 想い起すと、この事業の開始時に監修者なる大役を任ぜられ、その役に耐え得るか否か、自信はまったくなかったが、編さん・編集・執筆の各委員をはじめ、編さん室(事務局)の方々のお引き立てによって、紆余曲折うよきょくせつを経ながら、ようやく任を全うすることができ感謝のほかは無い。
 町史の事業がスタートした当時は、『青森県史』・『青森市史』の編さんも進められており、委員のなかには任が重なる方もあって刊行の遅延を危惧していたが、委員各位の御努力により、その心配は徒労に終わったのであった。だが、刊行終了が2年の遅れをみたのは、編集委員の中心となって活躍していた葛西善一氏と、執筆委員の七尾美彦氏が逝去され、さらに編集委員長の佐藤仁氏が都合によって退任するという事態を迎え、そのため委員の変更が刊行に影響を与えたのである。このようななかでも町史の柱となる第2巻について(中世U)では、思案に悩む苦境の状況下に、快く執筆をお引き受け下された、宮城教育大学の遠藤巖教授の御厚情は終生忘れることはできない。
 また委員の方々は、日ごろの研鑚けんさんの成果を存分に発揮され、なかには本務を全うしつつ、余暇の時間を裂いて執筆を担当の方もおられ、その方々のお力添えも強く印象に残っている。
 さらには町史編さん事業の推進のため、各地区から選出の協力員をはじめ、大切な史資料の寄贈と寄託に応じて下された方々、時代の移り変わりに伴い、人々の脳裏から忘れ去られつつある伝承などの、「聞き取り調査」に御協力いただいた方々に感謝申し上げたい。
 最後に、浪岡町史は町民の故郷ふるさとに対する熱い想いが刊行関係者への励ましとなって、ここに後世に誇れる町史を完成させたのであり、将来にわたって座右の書となることを信じて疑わない。有難うございました。

浪岡町史編さん・編集・執筆関係者(平成7年)
浪岡町史編さん・編集・執筆関係者(平成7年)

『広報なみおか』平成17年(2005)2月1日号に掲載


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