白い花のヤマシャクヤクは山でたまに見かけることがある。もう10年以上も前にいただいた 『新青森市史別編自然』の資料収集のため東岳の植物調査を行っているが、山麓の杉林にベニバナヤマシャクヤクがあるとの話を聞いた。ぜひ見たいものだと思っていたところ、平成12年5月に、調査協力員のKさんから、山麓の杉林伐採跡地に咲いているとの電話をもらい、すぐにカメラを肩にかけ、現地に赴き、撮影した。我々が撮影した花の色は、原色図鑑と違って深紅であった(図鑑の色はピンク)。これは個体差のようである。Kさんが次の年に様子を見に行ったら、何者かによって盗掘されたらしく、姿がなかったという。
このような植物を保護するには環境も一緒に保護すべきなのだが、杉林などは個人の持ち物であることが多いのでなかなか難しい。 せめて一人一人が採集など絶対にせず、写真に撮影して楽しむように心掛けたいものである。 【自然部会部会長 葛谷孝】 ※『広報あおもり』2004年10月1日号に掲載 |