あおもり今・昔116

碑文からみる青森市の歴史(4)−行政2

 前回紹介した個人の政治的業績を顕彰した石碑以外にも、他分野で活躍するとともに政治的業績を挙げた人物を顕彰する石碑はいくつか確認されるが、これらは、後に紹介することとし、今回は、政治的出来事を記念して建立された、
高田地区にある記念碑
▲高田地区にある記念碑
1「青森市合併記念碑」(昭和30年、高田熊野宮)
2「先人の足跡消えず」碑(昭和54年、青森銀行油川支店近く)
3「東津軽郡原別村百周年記念之碑」(平成元年、東高校近く)
4「平和都市宣言」碑(平成2年、平和公園)
の4つの石碑を紹介したい。
 1は旧高田村と青森市との合併を記念して建てられたものであるが、「昭和の大合併」の下、当時は青森市と周辺町村の合併が急速に進展しており、昭和30年だけで、高田村を含め9町村が青森市と合併をしている。
 2は、台座に「油川村村政施行91年、油川町町制施行60年、青森市合併40年」とあるように、明治22年の「町村制」施行の下で近代的な地方自治体づくりが急がれ(「明治の大合併」)、その中で、油川村と羽白村とが合併して油川村が誕生し、その後、大正8年には町制を施行、そして昭和14年には青森市との合併を断行した歴史的事実を記念したものである。
 3は明治22年の町村制により誕生した原別村が、以来、100年経過したことを記録したものであろう。なお、原別村は、昭和30年に青森市と合併している。
 4は、青森市が平成2年8月に「平和都市宣言」を行ったことを記念して建立されたものであるが、その碑文の冒頭で、昭和20年7月の青森大空襲によって多くの青森市民の命が奪われた事実を記している。
【近・現代部会部会長 末永洋一】

※『広報あおもり』2003年7月1日号に掲載


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