あおもり今・昔115

碑文からみる青森市の歴史(3)−行政1

 この分野に属する石碑はいくつかの観点から分類できる。そのうち、政治家の業績を顕彰する意味を持って建立された石碑は、
1 工藤卓爾君頌徳(しょうとく)碑(合浦公園)
工藤卓爾氏を顕彰した石碑
▲工藤卓爾氏を顕彰した石碑
2 斎藤弥太郎氏之碑(合浦公園)
3 西田林八郎頌徳碑(油川熊野宮)
4 櫻田俊郎氏報徳碑(牛館)
5 故青森県令正五位山田秀典君碑(合浦公園)
などがある。
 また、厳密には石碑とは言えないが、同様の意図で建てられたものに、
6 千葉傳蔵翁像(三内霊園)
7 横山實先生胸像(合浦公園)
8 白鳥鴻彰胸像(荒川小学校校庭)
などがある。
 1は、初代青森市長で、港湾整備など本市の発展の基盤づくりや明治43年の青森大火からの復興に尽力した工藤を顕彰したものである。
 2は、本市の助役として明治末期に水道建設に尽力した斎藤を顕彰するもので、工藤卓爾らによって建立されている。
 3は、油川の政財界の実力者で、永年村長・町長として油川の発展に尽力した西田に関するものである。
 4は、大正末期〜昭和初期に、横内村で収入役や村長、村会議員として、特に産業振興と道路・橋梁建設などに努めた櫻田に関するものである。
 5は、明治9年から6年間青森県令を務め、馬耕や養蚕、藍・麻栽培の普及など産業の発展に尽力した山田を顕彰するものである。
 6は、昭和11年〜20年まで青森市長として、戦後期の困難な中で市政の安定に努め、青森漁港の修築や三内霊園の建設に尽力した千葉を顕彰するものである。
 7は、県会議員、本市の助役などを務めた後、昭和22年に初代民選市長に当選し、下水道事業を推進した横山を顕彰するものである。
 8は、荒川村村長、東津軽郡会議員、県会議員などを務めるとともに、明治末期に国有林解放に尽力した白鳥を顕彰するものである。
【近・現代部会部会長 末永洋一】

※『広報あおもり』2003年6月1日号に掲載


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