市内のさまざまな所に石碑が存在する。石碑は、特定の目的をもって関係者により建立されたものである。しかし、時の経過とともにその目的や意義は忘れ去られ、雑草・潅木に埋もれ、建築資材などに遮られ、幾度となく移転を余儀なくされ、交通障害として邪魔もの扱いされたりする。石碑に出会っても、石碑の建立目的や内容に関心を持つ人は多くはないであろう。だが、石碑は地域の歴史を語る基礎資料でもあり、石碑を知ることで地域の歴史を認識することもできる。 今回から、市内にある石碑のいくつかを取り上げ、石碑とそれを取り巻く歴史について紹介しよう。
大正天皇に関する碑文として確認できるものは、大正14年5月に建立された「銀婚式記念碑」(諏訪沢入口)のみである。 昭和天皇関係では2種類存在する。一つは、大正末から昭和始めにかけて建立された天皇の御成婚を記念する「御大典記念」碑(高田熊野宮境内と後潟神社境内などで確認される)、もう一つは天皇の在位60年を記念する「奉祝天皇陛下在位六十年記念碑」(高田熊野宮境内)である。 【近・現代部会部会長 末永洋一】 ※『広報あおもり』2003年4月1日号に掲載 |