「あやこ」は、昭和20年代まで女の子によく遊ばれた遊びで、トビマルともアヤコチギともいわれた「お手玉」のことである。 中に小豆を入れて作った布製の玉を「あやこ歌」を歌いながら、空中で三個か四個をくるくると廻すのである。 「たんたんたいこ 白だいこ 油のしょうならきってもこい・・」「なかとて しまとて 前髪とって 島田の髪ゆって おしゃれこ・・」 「あやこ」の楽しさは、上手に空中で廻すだけではなく、母親や祖母から「あやこ」の作り方を教わることにもある。いつもは忙しく立ち働いている母が、「これをこうして、ああして」と、ためこんでいた赤や青の模様のついた余り布を出してきては、娘の手をとって教えてくれる。母に思いっきり甘えられる日でもある。 その「あやこ」の作り方を教えてくれる人も今はほとんどいなくなった。 ここで、30年ほど前、生前の母から聞いた「あやこ」の作り方を紹介しよう。 【民俗部会調査協力員 山田昭一】 ※『広報あおもり』2003年1月1日号に掲載
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