「シナイモツゴ」といえば、どこかで聞いた名前だと思われるかたもいるのではないでしょうか。青森市内のいくつかの シナイモツゴが絶滅の淵に追い詰められたのにはいくつかの理由があります。
最近、シナイモツゴにとってもう一つの敵が現われました。シナイモツゴを食べてしまう外来の魚食魚オオクチバス(通称ブラックバス)です。違法承知でオオクチバスの密放流を行う人間こそがシナイモツゴを絶滅に追い込む敵だというのが正確でしょう。青森市のシナイモツゴについては、市民有志が熱心に保護に取り組んでいますが、決して将来は明るいわけではありません。日本列島の中で長い時間、人と共存してきた魚たちが、たかだか10年くらいの間に人の手によって次々に絶滅に追い込まれていくことは異常な事態だと言わねばなりません。 【自然部会執筆編集員 佐原雄二】 ※『広報あおもり』1999年11月15日号に掲載 |